2023年度画像解析ソリューション市場は89億円

矢野経済研究所は,画像解析技術を活用した店舗向けソリューション市場を調査し,事業モデル,普及課題,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。

それらによると,画像解析をマーケティング目的で活用するソリューションを展開している事業者(ベンダー)は,スタートアップ系専業事業者を中心として,2016年頃から増加傾向にあるものの,その事業規模は依然大きいと言える状況には程遠いとみている。

またECサイトにおけるアクセス解析が当たり前となる中で,EC市場よりマーケットが大きいリアル店舗における店舗内分析の必要性を小売事業者は感じ始めている。既に,ビーコンやWi-Fiなどを活用した店舗内における顧客分析を導入する小売事業者も存在するものの,カメラで撮影した画像を解析することで,来店客数のカウントや属性分析,動線分析なども可能な画像解析技術を使った店舗内ソリューションの導入事例はまだ少ないという。

一方で,徐々にファッション業態や商品単価の高い小売業態を中心に,店舗向け画像解析ソリューションの導入が進みつつあり,2019年度の店舗向け画像解析ソリューション市場(事業者売上高ベース)は,16億2,000万円に達する見込みとしている。

店舗向け画像解析ソリューションを展開する事業者(ベンダー)の事業モデルにおいては,データを収集する端末であるカメラなどの「デバイス」,収集したデータを特徴情報等のデータにする「画像解析ソフトウェア」,得られたデータから属性分析やリピート率分析,導線分析等を担うAIなどの分析アルゴリズムを含む,分析結果を可視化する「店内分析プラットフォーム」,分析結果をもとに実際の施策まで提案する「コンサルティング」の大きく4つの事業領域に分類できるという。

各事業者の事業形態を調査すると,以下の5つのケースに分類する。
(1)「デバイス」と「画像解析ソフトウェア」と「店内分析プラットフォーム」
(2)「画像解析ソフトウェア」と「店内分析プラットフォーム」
(3)「画像解析ソフトウェア」と「店内分析プラットフォーム」と「コンサルティングサービス」
(4)「店内分析プラットフォーム」
(5)「店内分析プラットフォーム」と「コンサルティングサービス」

基本的には,顧客が店舗向け画像解析ソリューションのベンダーに依頼すれば,カメラなどのデバイスから可視化プラットフォーム,分析までワンストップで利用できる。ただし,全ての事業者が全ての領域の製品や技術,サービスを自社で提供しているものではない。

今後の主な拡大要因として,現状ではファッション分野を中心に導入が進んでいるが,その普及に伴って他の分野へも拡大していくことを想定している。

また,現段階においては,顧客である小売事業者側においてもベンダー側においても,収集したデータを分析したアウトプットを具体的にどのように顧客に向けた施策等に活用するかといった点を把握している企業が少ないことが,最大の阻害要因となっている。

しかし,このような要因は,今後,導入を進めているベンダーやユーザーが成功事例を積み重なることによって,実店舗におけるデータ活用がより一般化されると解決し,普及は更に進むと考えている。

こうした状況から画像解析技術を活用したソリューションの導入は引き続き拡大し,店舗向け画像解析ソリューション市場(事業者売上高ベース)は2023年度には2019年度比5.5倍となる89憶1,000万円に達すると予測している。

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