九大,アマチュア無線周波数を用いて230万km遠方の衛星との通信に成功

九州大学は,平成26年12月3日に「はやぶさ2」の相乗り小型副衛星として打ち上げた,深宇宙通信実験機「しんえん2」のメインミッションである「アマチュア無線で使用している周波数帯を利用した深宇宙通信実験」について,平成26年12月9日に,欧州のアマチュア無線家が230万km遠方から送信された信号を受信したことで,世界初の成果を収めたと発表した(ニュースリリース)。

「しんえん2」は,世界で初めて,宇宙機に炭素繊維強化熱可塑樹脂(CFRTP)を素材として使用した小型探査機で,同大が鹿児島大学と共同で開発した。

「しんえん2」は,ロケット分離後,約20時間で月軌道を越えた。平成27年1月28日現在で,地球から約670万㎞(地球と月との距離の約18倍)の地点を飛行している。

今後「しんえん2」は,平成27年12月に地球に再接近する予定で,同大では再び深宇宙から送信された信号受信を試みるとしている。

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