産総研、酵母を利用して非可食バイオマスから高機能界面活性剤を量産

産業技術総合研究所環境化学技術研究部門副研究部門長の北本 大氏、主任研究員の井村知弘氏らは、アライドカーボンソリューションズ株式会社、琉球大学農学部教授の和田浩二氏らと共同で、非可食バイオマスから「バイオサーファクタント」と呼ばれる、天然由来の高機能な界面活性剤を量産する技術を確立した。

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低炭素社会への意識が高まる中、化学産業では、石油だけに依存しないで、再生可能資源を巧みに活用することが重要となっている。特に、食糧と競合しない非可食バイオマスからの多様な化学品製造は急務となっている。既に、非可食バイオマスのバイオ燃料への利用は進んでいるが、合成技術やコスト面の制約から、これまで化学品への利用は非常に限られていた。

今回、酵母を使った発酵プロセスにより、非可食バイオマスの一つであるマフア油からバイオサーファクタントを直接生産することに成功し、発酵条件や生成物の分離方法の最適化によって、安価かつ大量に供給する技術を確立した。このバイオサーファクタントは、低濃度でも優れた洗浄性能を発揮する一方で、高い生分解性を示すため、環境に優しい洗浄剤やシャンプーなどのトイレタリー製品への展開が期待される。

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