東海大、白血病細胞の異常を修復するRNAの発見

科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、東海大学医学部准教授の幸谷 愛氏は、研究員の奥山一生氏とともに、急性白血病細胞の分化異常を修復するRNAを発見し、白血病細胞を正常化させる可能性を示した。

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今回、白血病の中でも非常に予後不良であるMLL-AF4(MLL遺伝子再構成陽性)急性白血病細胞で、発現が低下している特定の非コードRNA「miR-126」に着目し、白血病細胞に導入したところ、MLL-AF4白血病細胞を血液細胞の一種であるB細胞へ分化誘導することを見いだした。これまで、B細胞への分化には転写因子が必須と考えられてきたが、転写因子がなくてもmiR-126だけで分化が誘導された。

今回の結果は、転写因子が中心となって細胞分化が誘導されるとした考え方に、新たに非コードRNAの重要性を加えるとともに、転写因子の異常が発症の引き金となる白血病において、非コードRNAを用いた新たな治療法開発に結びつく可能性を示した。

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