月刊OPTRONICS 特集序文公開

磁気光学回折型ディープニューラルネットワークデバイス

1.はじめに

 

ディープニューラルネットワークは,パターン認識,天気予報,病気診断,自然言語処理,画像生成など,多くの実用的な問題に応用されている。そして,さらにその応用の範囲を拡げようとしている。しかし,GPUなどを駆使したフォンノイマン型のコンピュータ上で行われる計算は,膨大な消費電力が大きな問題となっている。例えば,OpenAIが開発したChatGPTにおいては,1 日あたり一般家庭の30,000 ~ 50,000軒分に相当する消費電力量である1 GWhが必要と見積もられている。このような背景の下,消費電力を大幅に低減する方法として,計算に物理現象を利用する新しい原理で動作する物理ニューラルネットワークデバイスが期待されている。

本稿では,我々が提案する磁気光学回折型ニューラルネットワークデバイス(Magneto-optical diffractive deepneural network:MO-D2NN)1)について紹介する。まず,MO-D2NNに関するシミュレーション技術について紹介した後,ビスマス置換磁性ガーネットを使った手書き数字分類の実験結果について紹介する。

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