月刊OPTRONICS 特集序文公開

屋外移動ロボットのための自己位置推定センサの実証実験

〜大阪・関西万博をふりかえって〜 著者:北陽電機 遠藤未菜

1.はじめに

1 はじめに

物流や製造の現場で活躍する搬送ロボットは,測域センサや画像センサなどのフォトニクス技術に支えられている。測域センサはロボット用語で,レーザー走査型のLiDAR(Light Detection and Ranging)やデプスカメラなど環境計測センサの総称である1)。1990年代までは溶接・塗装を行う固定型産業ロボットが中心だったが,2001年のITバブル崩壊で半導体分野が低迷すると,サービスロボットへの期待が高まり,研究段階から実用化へと開発が加速した。搬送ロボットに加え,二足歩行やエンタテインメントなど多様なロボットが登場したものの,2009年のリーマンショックで多くの企業が撤退した。2010年代後半以降は人手不足を背景に,物流・製造の搬送だけでなく飲食店の配膳,清掃,警備など自律移動ロボットが普及している。ただし,これらの多くは床面が整った屋内での運用が中心である。配送,建設,インフラ点検など屋外での活用を広げるには,屋外特有の不確かさに対応できる自己位置推定が欠かせない。自己位置推定とはロボットが自分のいる場所を推定する仕組みである。
 本稿では,屋外で稼働する自律移動ロボットの普及を後押しするために開発した自己位置推定センサのねらいを整理し,大阪・関西万博という公開の場で行った実証実験を振り返る。

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