光技術者として日々の研究にいそしむ著者が,これまでの経験や日常を通じて感じる光に関するあれこれを,肩ひじ張らずに綴る人気のコラム。その飄々としたキャラクターも魅力の一つです。

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豆電球にシンパシー

豆電球といえば,小学校の頃に持っていた実験キットを必ず思い出す。理科の教材だったか「学研の科学」の付録だったか,よくは覚えていないのだけれど,よくある「電池と豆電球の実験」の少し洒落たやつ,という感じである。 平べったい […]

ステンドグラスは永遠だけど

僕にとって初めてのヨーロッパは,チェコ共和国のブルノーという街だった。ブルノーはチェコ第2の都市で,遺伝学で有名なメンデルを輩出した伝統ある都市だ。だけれども,僕が訪れた1995年当時は自由主義化のためのシルク革命から少 […]
ノーベル賞とピンセット

ノーベル賞とピンセット

ピンセットというものを初めて使ったのはいつのことだろうか。遠い記憶の中にあるものは,小学校で理科の顕微鏡の実習で,スライドグラスにのせた試料にカバーグラスを被せるときにピンセットを使ったことだ。少なくとも高校まではピンセ […]
幻日の現実

幻日の現実

仕事帰りの道すがら,まだ日が長い時期で,夕日というには少し早めの太陽が西にうっすらとかかった雲を透かして見えている。その太陽から水平方向右側,少し離れたところに光の塊が出現しているのを見つけた。それは少し縦長で,水平方向 […]
憧れのシャンパンゴールド

憧れのシャンパンゴールド

シャンパンと庶民的なスパークリングワインを泡の音で判別する。そんな酔狂な実験の報告がPhysics Todayという真面目な雑誌に掲載されていた。スパークリングワインの中でも,フランスのシャンパーニュ地方で厳しい基準を満 […]
失せ物がたり

失せ物がたり

僕は占いやまじないの類いは信じないことを標榜しているが,そのくせ神社などでおみくじを売っていると,ほぼ間違いなく運だめしをしてしまう。そして,大吉だ小吉だ凶だと一喜一憂してみたり,「恋愛運良し」と言う一文を見て,ついほく […]
瞳に炎

瞳に炎

沸き立つ闘志が瞳に炎となって燃え上がる。マンガの中ではよく見かける光景だ。「目は心の窓」と刷り込まれている僕たちは,なんら疑うこともなく,そこに描かれた人物の激情を感じ取ることができてしまうのだ。でも,もし本当に瞳で炎が […]
鉄腕アトムの目のチカラ

鉄腕アトムの目のチカラ

子供の頃,僕の家には樹脂でできた鉄腕アトムの貯金箱があった。頭の後ろに硬貨を入れる穴があって,首を外すと中の硬貨が取り出せるというものだ。当時,テレビで放送されていた鉄腕アトムは白黒だったはずなのに,記憶の中のアトムがフ […]
レーザーポインター光線

レーザーポインター光線

レーザーポインターといえば,世間一般ではサッカーの試合でゴールキーパーの邪魔をするためにレーザー光を顔に狙い撃ちするための道具だと思っている人も多いかもしれない。でも,本来は,プレゼンテーションで図を指し示す指し棒の代わ […]
コーヒー色であるということ

コーヒー色であるということ

コーヒーを淹れるひとときは幸せだ。フィルターに盛ったコーヒー豆の粉にお湯を注ぐと,香りとともにプクプクと泡が立ち,粉全体が饅頭のように膨れ上がる。ひとたび待って,ほどよい時間が経ってから再びお湯をゆっくりと注いでいく時に […]