鼻血の話

著者: 月谷 昌之介
子供の頃はよく鼻血を出した。なんだか鼻がムズムズして,手でクシャクシャしていると手が鼻血でぬれている。あるいは朝,布団の中で寝ていると急に鼻周りが温かく感じて,気がつけば鼻血が布団を赤く染めている。時には,友達と話をしている最中に突然,鼻血がぼたぼたと流れ落ちてくる。

僕は今までの人生の中で数えきれない回数の鼻血を出してきた。あまりにも鼻血が出るものだから,母が心配して中学生だった僕を病院に連れて行ったことがある。結局,鼻の粘膜が弱くて毛細血管が切れやすいという診断だった。今まで無事に生きているから,大したことではなかったことは確かだ。僕に限らず,男の子は鼻血を出しやすいのではないかと思う。

小学校や中学校の頃は,鼻に脱脂綿やティッシュの丸めたものを鼻に詰め込んで流血を阻止している男子が,そこいら中にいた。鼻血を出すと結構慌ててしまうものだけれど,実際には大抵の鼻血の流血量はそれほど多くはないようだ。なにせ体のてっぺんについている顔から重力で下に向かって流れ出すから,見た目に目立つ。そして,何よりも血液が赤いということが,派手なパフォーマンスを作り出す源泉になっていることは間違いないだろう。

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