失せ物がたり

僕は占いやまじないの類いは信じないことを標榜しているが,そのくせ神社などでおみくじを売っていると,ほぼ間違いなく運だめしをしてしまう。そして,大吉だ小吉だ凶だと一喜一憂してみたり,「恋愛運良し」と言う一文を見て,ついほくそ笑んでしまったり,「方角:北東良し」という一文に「ふむ,なるほど」と頷いてしまったりするのである。そしてご丁寧にも,なるべくご利益のありそうな場所を探しておみくじを結んで満足しているから,本当に占いを信じていないのかどうかについては僕自信疑っているところなのだ。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    関連記事

    • グラスが放つ光

      著者:納谷昌之  水や酒が入ったグラスを透かして、テーブルに映る光を眺めるのは楽しい。とりわけ、真上にスポット照明があるような場所で、グラスの底を通って作り出される光の模様が僕は好きだ。できれば部屋は薄暗い方がいい。光が…

      2026.07.08
    • つり革の幻影 回折かピンボケか

      著者:納谷昌之 僕がよく乗る小田急線のつり革は、握りの部分が円形をしている。座席に腰を下ろすと、その下辺あたりが、荷棚のステンレスパイプとちょうど重なる位置に見える。そのパイプには、天井の照明が細いスリット状の光として映…

      2026.05.13
    • 見ているものは何なのだろう

      著者:納谷昌之 関東では、冬晴れの日が続いている。僕の住む場所からは、青空の下、目の前に広がる丹沢の山並みや、遠く雪を被って鎮座する富士山の、くっきりとした風景を仰ぐことができる。ふと、この風景が、僕の目の中の網膜の上で…

      2026.03.23
    • 衣服で化ける

      僕が子どもの頃,世界にはまだ裸族がたくさん住んでいた。テレビでは,下唇を円盤で大きく広げたり,局部を木の筒に収めただけの姿で裸のまま躍動する人々の暮らしが,様々な番組で紹介されていた。今はどうだろう。先日,アマゾン奥地に…

      2026.02.17
    • 米とひかり

      米のトップブランドといえば「コシヒカリ」だろう。この名前は,越国(こしのくに)の光り輝く品種になって欲しい,という願いのもとに命名された。それ以外にも,米の品種名には「きぬひかり」「ひのひかり」など,「ひかり」の付くもの…

      2026.01.16

    新着ニュース

    人気記事

    編集部おすすめ

    • オプトキャリア