【ミュンヘン発】世界最大級の光技術専門展示会「Laser World of Photonics 2025」が6月24日,ドイツ・ミュンヘン見本市会場で開幕した。1973年の初開催以来,2年に一度開催される本展示会は,レーザー,オプトエレクトロニクス,量子技術などの最先端技術が一堂に会する場として,世界中の研究者・技術者・企業関係者から高い注目を集めてきた。
今回は過去最多という約1,350社が43カ国から出展し,医療,製造,通信,セキュリティ,バイオ,エネルギーなど多岐にわたる分野の最新ソリューションが披露される。展示が行なわれる5つのホールの面積は66,000m2に及び,来場者数は40,000人を超える見込みだ。併催される「World of Photonics Congress」では,基礎研究から産業応用まで幅広いテーマで3,600件以上の発表が予定されており,学術と産業の融合が期待されている。
また,量子技術に特化した「World of Quantum」も同時開催され,量子コンピューティング,センシング,暗号通信など次世代技術の応用に関する展示が注目を集めている。自動化・ロボティクス分野の見本市「automatica 2025」との同時開催により,量子技術や自動化との異分野連携の可能性も広がる。
他にも,統合フォトニクスの通信・AI分野への応用を探る「Integrated Photonics Applications Forum」や,AIとロボティクスの融合に焦点を当てた「Photonics Meets Robotics」など,社会課題と技術革新が交錯する新たな展示企画も注目を集めている。
開幕初日には,レーザー核融合と二次光源(光を直接ではなく,何かしらを介して発光する光源)に関するコンスタンティン・ヘフナー教授による講演も行なわれ,来場者の関心を集めた。これに加え,バイオフォトニクス,人工知能,統合フォトニクスといった将来を担うテーマが,多数のセッションを通じて議論されている。
経済や産業構造の変革が進む中,LASER 2025は国際的な対話と共創の場として,その存在感を一層強めている。出展者や来場者にとっては,単なる展示会を超えた次世代技術への窓口であり,新たなパートナーシップの創出の舞台ともなっている。なお,光技術の未来を占うこの展示会は,6月27日までの会期で開催される。