昭和電工,上海に半導体用高純度ガス工場を建設

昭和電工は,電子材料用高純度ガス事業強化のため,上海にある製造拠点,上海昭和電子化学材料有限公司(SSE)の隣接地に第二工場用地を取得し,高純度N2O(亜酸化窒素)および高純度C4F8(オクタフルオロシクロブタン)の製造設備と,高圧ガス危険物倉庫を建設することを決定した(ニュースリリース)。

高純度N2Oは主に半導体やディスプレー製造時の酸化膜の酸素源として,高純度C4F8は特殊ガスで,主にその酸化膜の微細加工(エッチング)などに使用される。第5世代移動通信(5G)など情報通信分野の発展と中国政府による産業育成政策により,中国においては今後も半導体およびディスプレー市場(有機ELテレビ等)の拡大が見込まれる。

同社は現在,高純度N2Oは川崎事業所と韓国で,高純度C4F8は川崎事業所と上海(SSE第一工場)で生産しているが,拡大する市場に対し安定供給などの対応力を高めるため,“地産地消”施策をさらに進めるという。

また中国において年々化学品への規制が強化される中,中国上海に同社所有の高圧ガス危険物倉庫を確保・拡充することは,サプライチェーンの強化,競争力の向上に大きく寄与するとしている。

SSE第二工場の概要は以下の通り。
・面積:約10,000平米
・建設予定設備
高純度N2O年産能力:1,000トン
高純度C4F8年産能力:600トン
高圧ガス危険物倉庫
・稼働開始予定:2021年下半期

また,半導体市場は,台湾でも同様に拡大が見込まれるため,同社の現地製造子会社「台湾昭和化学品製造股份有限公司」においても高純度C4F8年産150トンの製造設備を新設する(2020年春稼働予定)。今回の投資額は,上海・台湾を合わせ,約30億円となる。

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