1.はじめに
近年の観測衛星の大容量データ伝送の要求を背景に,衛星間光通信を用いたデータ中継衛星システムの整備が欧州,米国,日本で進められている1, 2)。衛星間光通信システムは従来の電波による通信と比べ広帯域,小型軽量であるだけでなく,電波と異なり周波数免許が不要といった利点もある。また,大気圏内での光空間通信と異なり,宇宙空間では大気の影響を受けない。既に衛星間光通信は静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)と低軌道(LEO:Low Earth Orbit)間のデータ中継衛星において1.8 Gbpsで運用されている3, 4)。また,近年開発が盛んに行われているLEO衛星通信コンステレーションにおいても,100 Gbps 超の衛星間光通信が実証され5),日本でもLEO衛星コンステレーションへの衛星間光通信の適用検討が進んでいる6)。
近年,アルテミス計画を背景として月面開発に向けた検討が進んでいる7)。月-地球圏における通信距離は地球圏での通信距離(GEO-LEOデータ中継衛星)の約10倍であり,これは通信リンクバジェット約20 dBに相当する8)。そのため,高出力光増幅技術,衛星搭載大開口光アンテナ,高感度光受信技術,高感度捕捉追尾技術が要求される9)。本稿では月-地球圏の長距離光空間通信の実現に向け,送信光高出力化技術と高感度捕捉追尾技術について紹介する。
【月刊OPTRONICS掲載記事】続きを読みたい方は下記のリンクより月刊誌をご購入ください。
本号の購入はこちら





