月刊OPTRONICS 特集序文公開

ペロブスカイト太陽電池における複合要因による劣化過程

著者:桐蔭横浜大学 池上和志

1 はじめに

ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けては,耐久性の向上が不可欠な課題となっている。特に,研究初期から指摘されてきたように,ペロブスカイト太陽電池は湿度などの外部環境に対して脆弱である。このため,ペロブスカイト層の成膜プロセスでは湿度の影響を大きく受けやすく,現在も一般的に低湿度環境下で製造が行なわれている。また,製造環境と耐久性との関係についても注目が集まっており,今後の重要な研究対象である。

ペロブスカイト太陽電池の劣化メカニズムは,光・熱・湿度といった複数の外部要因が絡み合った複雑なプロセスで構成されており,その解明には多くの議論が続いている。耐久性評価の手法としては,連続光照射試験や85℃・85%RH環境下での加速試験(85-85試験)などがあり,それぞれで1000時間を超える耐久性が報告されている例も存在する。しかし,これら両方の条件を同時に満たすことは依然として困難である。

耐久性向上においては,封止技術の有効性が明らかになっているが,これに加えて材料自体の特性に基づいたアプローチも不可欠である。特に,構成材料中の原子やイオンの拡散現象は,デバイスの耐久性に重大な影響を与えるため,その抑制が重要な課題である。このような拡散現象は,外部からの水分侵入とは別に発生することも多く,材料設計や層構成の最適化に向けた研究が積極的に進められている。

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