―これからの光技術について期待していることはありますか
光技術のいいところは,他の分野を橋渡しする力を持っているところです。今,研究は学際化していて,1日あたり約1万本の論文が出ています。国家にとって研究開発は重要なので,どんどん投資します。すると研究者の数も増えていきます。でも研究者がすべてのことを学ぼうとすると教育コストがかかるので,ある程度の教育を終えたら,積極的に活躍してもらわないと困ります。それはどういうことかというと,研究分野を細分化するわけですね。要するに一人一人が学ぶ知識の範囲を狭めるわけです。

サイエンスの歴史は細分化そのものです。これを大きな問題だとしている人が,ニュージーランドの物理学者John Zimanで人類の科学知識がどんどん細分化して得異性を持つことは,科学者同士が細かく分断されていることだと言っています。
その結果,最も重要な科学的問題の解決ができないという問題が起こります。物質科学・ゲノム科学はもともと異分野融合なので,特にそうです。これは自然が細分化されてないからで,人間が人間の都合によって科学を細分化することは大きな問題です。細分化しすぎたことによって,大きな問題,分野をまたがるような問題を解決できないということが今起きています。
では今後何が重要かというと,いわゆる分野の再統合で,研究が個人型からチーム型に移動することです。1920年より前の論文の平均共著者数は一人だったのが,2012年は5.3人に増加しており,2030年には7.3人に増加すると予想されております。これは何が起きているかというと,基本的に研究は個人でやるものではなく,チームでやるようになったということです。
ノーベル賞は各分野で3人までしか受賞できませんが,2012年にMark Zuckerbergらの寄付金によって設立されたブレークスルー賞はチームで受賞ができます。研究が個人型からチーム型に変わりつつある中,分野の再統合に光はとても重要な役割を果たしています。
―お休みの日はなにをされていますか
週末は子供と遊んでいます。実は子供の名前に光を入れていて,光之助と輝人と書きます。長男が8歳でポケモンが好きなのでゲームセンターに行きます。次男は6歳で,クワガタが好きです。都内だとクワガタが採れないので虫のお店に行って買います。
あとは個人的には溜まったネットフリックスやアマゾンプライムを見ています。結構サイエンスフィクションの映画やドラマ好きで,インスピレーションになります。やはりサイエンティストは,線形的にしか物を考えないです。できることをベースに考えていくので,画期的なものは,なかなか発想しにくいんです。映画は狂った内容もあるので,全然違った未来,100年後はこんな世界なんだというところから発想することはすごく重要ですね。
(月刊OPTRONICS 2024年12月号)



