広州国際照明展2014─展示品の方向性の変化と出展社企業の戦略の変化

【出展社動向①】出展を取りやめる企業の一方,事業拡大し小間数を増やす
企業あり

今年9小間までブースを拡大したパナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIC) 電子材料事業部。中国ではブランドとしてPanasonicより松下(ソンシャ)のほうが知名度は高い。ブースでは照明製品は置いてないか?との問いかけも多く見かけられた。(撮影:Granage LLP)
今年9小間までブースを拡大したパナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIC) 電子材料事業部。中国ではブランドとしてPanasonicより松下(ソンシャ)のほうが知名度は高い。ブースでは照明製品は置いてないか?との問いかけも多く見かけられた。(撮影:Granage LLP)

昨年に引き続き出展を続ける,パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS社),シチズン社などは小間数の拡大を行うなど事業のほうも昨年に続き好調のようだ。AIS社は中国市場に合わせたコストを抑えた製品展開,シチズンは信頼性の高い高効率パッケージで販売を伸ばしているようだ。

照明器具,ランプ事業部門では,昨年よりパナソニック,東芝と日本を代表する企業の出展もなく,日本企業として今年からは日亜化学からの出展がなくなった。中国では既にある一定の顧客があるため,費用対効果を考えて出展をやめたという答えだった。

日本企業からの出展が減る一方で,パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS社)電子材料事業部らは出展小間数を年々増やす企業の一社だ。2010年に初めて出展した際には3小間だけだった。今年,その小間数は9小間まで拡大している。

同社は照明メーカーに向けて,放熱部材の販売を行う。市場が飽和状態に向うように感じる中国市場だが,それでも活気は衰えず,毎年新しい技術に挑む中国企業は製品開発に力を入れており,それをサポートする部材への要求は高い。

FULL BRIGHT(フルブライト)PPの説明(撮影:Granage LLP)
FULL BRIGHT(フルブライト)PPの説明(撮影:Granage LLP)

同社ではそれまで放熱対策向け材料の出品だったが,今年はさらに熱固型塑料でLED照明の光反射板に使うポリプロピレン(PP)「FULL BRIGHT(フルブライト)PP」を出品した。現在,同用途で広く使われているPET(ポリエチレン・テレフタレート)系樹脂に比べて高い光反射率を長期間維持できる。熱硬化性樹脂で光反射率が落ちない上,変色も防ぎ,LED照明の高輝度化や長期使用に貢献できるという。

なによりも安価で提供できるようことも注目すべきところである。同製品は耐久性(耐UV,高温高湿,耐薬品性)に優れており,高温,UV環境下でも高い光反射率を長期間維持し,屋外の看板や店舗照明,植物工場など,過酷な環境下に設置されるLED照明への適用を視野に入れている。

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