Negら,安価で小型な光シート顕微鏡光源を開発

日本電気硝子(Neg)、東京大学,ミユキ技研,フォトンテックイノベーションズは,Negのガラスリボンを用いて,光シート顕微鏡光源「HandySPIM」を開発した(ニュースリリース)。

光シート顕微鏡は,サンプル(検体)の側面から薄いシート状に整形した光を当てることで,断面画像を得る選択的平面照明顕微鏡法(Selective Plane Illumination Microscopy: SPIM)を利用した顕微鏡で,病理・バイオサイエンス等で使用される。

開発したのは,一般的な顕微鏡のステージに設置することで,透明化生体組織の画像を得ることができる「光シート顕微鏡光源」。従来の光シート顕微鏡ではレーザー光をレンズやミラーで光シート化する構造上,大掛かりな光学機器が必要だった。そのため,光学系の調整に専門知識を要するだけでなく,導入や維持に高額なコストがかかる点が課題となっていた。

この製品には,Negが開発したガラスリボン導光板が組み込まれており,その薄く均一な厚みが,レンズやミラーなしで高強度のシート状の光をつくる事に貢献している。

また,その光源には安価なLED光を用いているため,従来よりも小型で軽量,安価,さらに可搬性が向上し,これにより,専門的な知識がなくても透明化生体組織の画像を取得できるという。

ガラスリボンはNegが開発した超薄板ガラスの一種。厚さ4~50μm,幅0.5~30mmの非常に薄く均一な厚みを有し,この製品で導光板の役割を担う。導光板は,ガラスリボンを可視光吸収ガラス(Neg製品)でサンドイッチした構造になっている。

厚み20µm,幅 20mm,長さ10mmのガラスリボンの端面にLED光を結合させることで,導光板の対向端面から光シートが出射される。光シートの厚さは約20µmでガラスリボンの厚みとほぼ同等。この手法にて得られた画像は,従来の高価な画像取得装置を使って得られる画像と比較しても遜色ないという。

研究グループはこの成果により,高解像度の断面画像を誰でも簡単に得られるようになり,病理・バイオサイエンス分野で広く応用されることが期待されるとしている。

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