オムロン オートモーティブエレクトロニクス(以下オムロン)は,10月20日に発表した(関連記事)3D LiDARの開発機を,東京モーターショーに展示しデモも行なう。
LiDARを巡っては,自動運転やADAS(先進運転支援システム)に必須のセンサーと考えられていることから激しい開発競争が繰り広げられている。自動車向けとしては仏Valeoが製品化に漕ぎつけており,今回のモーターショーでAudiが展示する新型A8にも搭載されている。
一方,valeoの製品はレイヤー数が4と少ないことから,縦方向の解像度が求められている。今回オムロンが開発したLiDARは赤外線レーザー(905nm)を水平方向にモーターとミラーで20Hzでスキャンし,縦方向で分割した多分割受光素子で受光することで水平140°,垂直20°のエリアを水平140,垂直32の分解能を実現した。
なお,消費電力は9Wで,公表はしていないもののサイズはvaleoの製品と同程度となっている。
これにより,30m先の縁石や段差など10cm程度の障害物を検出するという。最大検出距離は80mを想定しており,一定の条件下としながらも,現時点で50m先の車両を識別できるとする。この検出距離は一般の市街地における障害物検出を想定しており,前後左右に4台のこのLiDARを付けることで360°全周のモニタリングが可能になる。
同社ではこれまでフラッシュLiDARの開発も行なっていたが,より現実的な方式として今回のスキャン方式を選んだという。今後は信頼性を高めるとともに人や車などの物体認識ができるようにECUのアルゴリズムを改良し,2020年には量産に入りたい考え。価格はまだ決まっていないが「1台10万円ではとても売れない」(担当者)ことから,数万円のラインを狙ってるようだ。