第 33 回プラズマエレクトロニクス講習会 ~プラズマプロセスの基礎と先端応用技術~

第 33 回プラズマエレクトロニクス講習会 ~プラズマプロセスの基礎と先端応用技術~

日時:
会場:
Zoom ウェビナーによるネット開催
主催:
応用物理学会 プラズマエレクトロニクス分科会

プログラム:
プラズマプロセスは、エレクトロニクス分野では先端デバイスの開発・製造を支える技術であるとともに医療やエネルギー・環境応用を始めとする幅広い分野でも欠くことのできない基盤技術となりつつあります。このような背景を踏まえ、本講習会では産業応用で必要とされるプロセスの基礎とプラズマ計測について、プラズマ分野を代表する先生方からご講義を頂くと共に、その先端応用プロセスとして、近年ドライエッチング分野で最先端の話題である絶縁膜のエッチング技術、及び、以前より要望の多かったCVD技術について、最先端の話題も含めて第一線でご活躍の先生方よりご講義を頂きます。
初学者から先端の研究開発者まで幅広い皆様のご参加をお待ち申し上げます。

1. 『プロセス技術者のためのプラズマの基礎』 ソニーセミコンダクタソリューションズ 辰巳 哲也 先生
本講座では、半導体デバイス製造に用いられるドライエッチングやCVD等のプロセス制御に応用されているプラズマ物理
の基礎にフォーカスし、プラズマ中の各種粒子の運動、衝突による励起・電離の反応、材料表面に形成されるシースと
イオンエネルギー制御、そしてこれらを実現するためのプラズマ装置について、初めての方でもイメージを持てるように
説明する。

2. 『分光学的方法によるプラズマ計測:ラジカルおよび振動励起状態』 北海道大学 佐々木 浩一 先生
プラズマの発光を分光分析することによりプラズマ中のラジカル密度やガス温度に関する情報を得る「発光分光法」、
および、プラズマに光を入射しプラズマとの相互作用の結果からプラズマ中の各種のパラメータを求める「能動分光法」に
ついて、それらの概要を説明する。また、プラズマを用いたガス転換プロセスにおいて最近注目を集めている振動励起
状態分子に関する情報を得るための分光学的方法についても述べる。

~~ 昼休憩 ~~

3. 『容量結合型プラズマにおける電極入射高エネルギー粒子の角度分布計測と高アスペクト比ホール底部での電荷蓄積
挙動』 名古屋大学 豊田 浩孝 先生
容量結合型プラズマを用いた高アスペクト比エッチングにおいては、基板入射高エネルギー粒子の入射角度分布や、
正イオン入射に伴うホール底部の電荷蓄積挙動がエッチングレートやエッチング形状に多大な影響を与える.
講演では、高エネルギー粒子の入射角度測定について述べるとともに、キャピラリープレートを模擬的ホールとして、
簡単化した静電容量モデルをもとに明らかにしたホール底部での電荷蓄積挙動について解説する.

4. 『絶縁膜エッチング(高アスペクトホールエッチング)の基礎と最前線』 キオクシア 大村 光広 先生
フラッシュメモリの微細化が限界を迎えた今、3次元フラッシュメモリの開発競争が勢いを増している。その集積度を
決めるキーテクノロジが高アスペクトエッチング技術であり、高い加工精度は勿論のこと、低コストを実現する高レート
加工、更には地球環境に配慮した低消費電力プロセスも強く求められている。本講義では、高アスペクト加工技術の
基礎を紐解きながら、現在直面する課題を概観すると共に、今後の技術展望を議論する。

5. 『プラズマ化学気相堆積法の基礎と最前線』 九州大学 古閑 一憲 先生
半導体デバイスの前工程における重要プロセスの一つであるプラズマ化学気相堆積(CVD)法では、プラズマ中1次反応
によるラジカル(製膜寄与種)の生成、輸送を伴う2次反応、膜表面における反応を経て膜堆積する。このときラジカル
のみならず気相成長した微粒子やイオンなどが照射される複雑なプロセスである。講演では、プラズマCVDの基礎と現
在までに明らかになっている薄膜堆積プロセスを説明するとともに堆積膜の高品質化について議論する。

※各講義は日本語で行います。

お問合せ先:[開催内容関連] 深沢 正永(幹事・ソニーセミコンダクタソリューションズ)
E-mail:Masanaga.Fukasawa@sony.com