ガスレーザー

ガス圧も,重要なパラメータの一つです。それは,レーザーガスがいかに電気を良く通すかに影響するからです。連続的にレーザー光を出し続ける連続発振レーザーの場合,安定な電気放電を維持するためには1気圧以下のわずかのガスを使うことが多いのですが,瞬間的にレーザー光を出すパルスレーザーでは,安定な電気放電を必要としませんから1気圧以上の高いガス圧を使います。

最適なガス圧は,レーザーの種類で決まるのではなく,レーザーの設計によって変わります。すなわち,装置ごとに最適なガス圧が存在します。

ガスレーザー媒質を励起するのに最も良く使われるのが,図2に見られるように,レーザーガスを閉じ込めてあるレーザー管の長さの方向に電気放電を起こさせる縦放電方式です。蛍光灯と似た構造です。蛍光灯の場合も同じく,最初に,高電圧で加速した高電流で多数の高エネルギー電子を流して,ガスをイオン化し,電気を流れやすくします。一度イオンができると,電気は流れやすくなりますので,高電圧は必要なくなり,適当な数の電子が流れる放電を維持するだけで十分です。

図3
図3

このような縦放電方式は,出力パワーが低いレーザーに適した励起方法です。一方,高出力レーザーに必要な大電流を流すことはできません。この場合は,図3のようにレーザー管の長さと垂直な方向に放電を起こさせる横励起方式が採用されます。コンデンサーに蓄えた電気エネルギーを特殊なスィッチを使って瞬時に放電させます。次回は,いろいろなガスレーザーについて解説します。

宮崎大学・名誉教授 黒澤 宏
黒澤 宏
黒澤 宏
執筆者紹介
黒澤 宏(くろさわ こう)
大阪府立大学工学部博士課程を経て1976年より同大学助手,助教授を経て1991年より宮崎大学工学部電気工学科教授,その後2007年9月に大学教員生活に終止符を打ち,(独)科学技術振興機構JSTイノベーションサテライト宮崎の館長に就任し,地域における産学官連携業務に専念。現在は(一社)九州産業技術センター 成功報酬型事業化支援制度・専任コーティネータを務めている。レーザーEXPOにおいては,2003年から主に基礎部門の講師を務めており,初心者にわかりやすくレーザーについて解説している。

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