NTTデータ,スマートグラスによる現場支援システムを開発

NTTデータは,メガネ型コンピューターであるスマートグラスを用いた現場作業の支援システム(以下:遠隔作業支援システム)を開発し,NTTデータ社内IT基盤での保守運用業務における利用を8月31日より開始する(ニュースリリース)。

昨今,ITシステムの保守運用業務では,コスト削減が求められる一方,オペレーションミスによるシステム障害を防止することが強く求められている。しかし,保守運用作業時は作業者と作業の確認者が複数名で現場へ出向く必要があるため,人件費を含む作業コストの削減が困難であることに加え,有識者不足により作業結果確認の品質にばらつきが生じてしまう。また,一部の有識者に負担が集中しがちであることも課題となっている。

今回開発した遠隔作業支援システムは,確認者が現場へ出向くことなく,遠隔地から作業の進捗状況および結果を確認することが可能となり,作業コストの削減と作業品質の担保が期待できるもの。

具体的には,作業者はスマートグラスを着用して運用保守作業を行なう。スマートグラスは,前面のカメラ,マイク,眼前のディスプレイを搭載しており,画像や映像,音声を記録し,作業指示書やマニュアル等,作業に必要な情報を表示することができるため,作業者は内容を確認しながら作業を行なうことができる。

また,画像や映像,音声は遠隔地にいる確認者とリアルタイムで共有することができ,作業で生じた不明点をその場で質問することにより,迅速な解決が可能。

一方,確認者はPCのWebブラウザーを用いて作業の進捗状況や,作業者の記録した作業結果に関する画像や映像,音声を即座に確認することができ,遠隔地に居ながら現場の作業進捗状況や作業結果を確認することができる。また,現場からリアルタイムで共有された映像に対してコメントや目印(マーカー)を付与することもでき,的確な作業指示を行なうことができる。

同社では今後,海外拠点を含めた社内での活用を拡大するとともに,顧客とシステムの試行適用を進め,2015年度中のソリューション提供開始を目指す。また,このシステムを含め,ウェアラブルデバイスを適用したシステムの提供により,2018年までに累計で50億円のビジネス創出を目指すとしている。