島津製作所,マレーシアに販売会社および分析計測機器の工場を設立

島津製作所は,ASEAN・インド地域における事業体制を強化するため,同社100%出資子会社である現地法人SHIMADZU(ASIA PACIFIC)PTE LTD.(本社:シンガポール,以下SAP)100%出資の販売会社(同社の孫会社)をマレーシアに設立し,営業を開始した。さらに,同じくマレーシアに分析計測機器の新製造拠点も設立し,製造と販売の両面で機能を強化する(ニュースリリース)。新工場は2016年12月に稼働開始予定。

ASEAN・インド地域は,同社の中期経営計画(2014年度~2016年度)において2016年度に220億円の売上を計画する主要成長市場。現地のニーズに対応したタイムリーな製品供給と充実した販売体制を整え,同地域の成長力を確実に取り込むための事業基盤の構築を進める。

同社はマレーシアではこれまで,分析計測機器は現地代理店を通じて販売を行なっていたが,今回現地に新会社「Shimadzu Malaysia Sdn. Bhd.」(SML)を設立し,直販・直サービス体制を確立した。食品,製薬,石油化学等の市場において高速液体クロマトグラフ等の汎用分析装置の直販を開始して販売を強化すると共に,大型機種や試験機,非破壊検査機器については引き続き現地代理店の専門性を生かした販売を行ない,顧客の利便性とブランドイメージのさらなる向上を目指す。

医用機器は2000年よりSAP社マレーシア支店を開設して直販体制をとっていたが,新販社の医用部門として吸収・統合する。マレーシアでは同社のX線装置シェアは25%,特に病院向けの汎用X線装置では50%以上を占めている。今後はハイエンド装置である血管撮影システムの販売とクリニック市場の開拓を強化していく。

同社は新体制により,マレーシアにおいて2018年には分析計測機器1,505万ドル,医用機器520万ドルの合計約2,025万ドル(2013年比 約2倍)の売上を計画している。

また,SAP社よりアジア・インド地域およびオセアニア向けに販売する分析計測機器の生産拠点をマレーシアに新設し,市場対応力,規制対応力を強化してタイムリーな製品供給を行なう。SAP社の主力販売機種であり,今後も大きな市場の伸びが見込まれる高速液体クロマトグラフ(Prominence,Prominence-iシリーズ,Nexera)および紫外可視分光光度計(UV-1800)の生産を2016年より開始し,順次生産品目と業種の拡大を行なう。

液体クロマトグラフの一部製品についてはSAP社以外にも中東・アフリカを管轄する海外子会社に向けても供給する。品質,価格およびリードタイム共に競争力のある製品供給体制を整え,中長期的な事業拡大を図る。