三菱化学と日亜化学,白色LED用赤色蛍光体で特許クロスライセンスに合意

三菱化学と日亜化学工業は白色LED用赤色蛍光体について,特許の相互利用に関する契約を締結した(ニュースリリース)。

従来の白色LEDは,蛍光体として黄色蛍光体を使用していたこともあり,その白色光は自然光に対してやや赤み成分が不足した白色だった。CASNまたはSCASN蛍光体(別名1113蛍光体)と呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体を使用することにより,従来得られなかった赤み成分が得られるため,自然光に近い白色を実現することができるようになる。

三菱化学と日亜化学工業は,この赤色蛍光体に関し,それぞれが保有する特許を相互に実施許諾することについて2010年に基本合意し,その後詳細条件について物質・材料研究機構(NIMS)も交えて協議を継続してきたが,今回すべての内容について最終的な合意に至った。

この契約において相互実施許諾の対象となるのは日亜化学工業が保有する特許,三菱化学とNIMSが保有する特許が含まれる。また,これらの特許のうち,三菱化学とNIMSが共有する基本特許の1つである米国特許(米国特許第8409470号)については,三菱化学,日亜化学工業,NIMS及びシチズンの4社による共有とすることも合意した。

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