京大ら,臨床応用に向けたヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の製造方法を開発

京都大学の研究グループは,大阪大学およびカン研究所と共同研究を行ない,臨床応用に向けたヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の製造方法を開発した。

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これまでヒトiPS細胞から誘導したドパミン神経細胞の移植でパーキンソン病モデルラットの運動機能の改善は報告されているが,臨床応用を行なうには大量培養法の開発と腫瘍化の危険性がある細胞の排除が必要と考えられてきた。

今回開発された方法では,合成ラミニン(大阪大学が開発した組換えラミニン511E8フラグメント)を用いた接着培養をすることで従来の20倍以上の濃度で細胞を培養することが可能になり,さらにカン研究所で開発された抗コリン抗体を用いたセルソーティングを行なうことで,ドパミン神経前駆細胞の選別・濃縮が可能となった。

この方法で作製した細胞をパーキンソン病モデルラットの脳内に移植したところ,腫瘍を形成せず運動機能の改善をもたらし,より安全かつ効率的なドパミン神経細胞移植が可能になることが明らかになった。

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