研究成果をいかに産業へ実装するか──。ドイツの精密計測メーカー、Micro‑Epsilonを率いるトーマス・ヴィスパイントナー氏の姿勢は、自社の技術開発や顧客と長期的な関係を築く経営にも貫かれている。ナノメートル精度を追求する光計測から日本市場への期待まで、計測技術の現在とその先を聞いた。

Micro-Epsilon CEO トーマス・ヴィスパイントナー 氏
技術を育て、信頼をつなぐ長期志向を貫く経営の原点
─創業からの歩み
わが社の歴史は、1968年に高温環境で使用できる「ストレインゲージ(ひずみゲージ)」の販売会社としてスタートしました。社名の「Micro-Epsilon」は、当時測定できた最小のひずみ単位に由来しています。大きな転換点は1975年で、私の父が経営を引き継いだ際、自社製品の開発・製造へと舵を切りました。最初に手掛けたのは電磁気を用いたセンサーでしたが、そこから現在に至るまで、年間平均15%の成長率を30年以上にわたって維持しています。
─経営者として大切にしていること
それは「Long Term Relationship(長期的リレーションシップ)」という考え方です。わが社には数十年にわたって勤務し、定年まで勤め上げる生え抜きの社員が数多くいます。この安定した組織文化が顧客への信頼につながり、将来にわたって技術と製品を供給し続けるという安心感を与えているのです。
また、当社は2つのファミリーによる家族経営を続けており、外部資本に依存しない独立性を重視しています。これにより、短期的な利益に左右されることなく、迅速な意思決定と長期的な視点に立った投資が可能になっています。





