ヒューマンインタフェース2026

日時:
会場:
岡山大学 津島キャンパス

特別講演 9月17日(木)午後


優しさを技術で伝えるケア技法・ユマニチュード

Yves Gineste(ジネスト・マレスコッティ研究所所長)
本田美和子(国立病院機構東京医療センター 医療経営情報・高齢者ケア研究室室長)

 AIが私たちの暮らしの中に自然に溶け込んでいくなかで、ケアの現場もまた例外ではありません。本講演では、優しさを伝えるケア技法「ユマニチュード」がもつ、AI時代におけるヒューマンインタフェースの新たな可能性について考えます。
 ユマニチュードは、「見る・話す・触れる・立つ」という4つの柱を組み合わせたマルチモーダルなコミュニケーションと、それをひとつのシークエンスとして行う「5つのステップ」を基礎として、人と人とのよりよい関係性を構築するケア技法です。これまで私たちは、「なぜユマニチュードが有効なのか」という問いに対して、様々な領域の研究者とともに科学的な解明に取り組んできました。
その成果として、コミュニケーションの定量化やケア技術の分析が進み、さらにこれらの知見をもとに、拡張現実(AR)を活用したシミュレーション教育システムも社会実装されています。
 AIや大規模言語モデルの発展により、「何ができるか」という問いに対して技術的な解明が進んでいますが、これをケアの現場で考える時、「AIは人に優しさを提供できるのか」という問いが生まれます。
 優しさとは「人とはいかなる存在か」という哲学的な問いと、身体性を伴うインタラクションによって生まれる関係性そのものであり、そしてその関係性こそが、誰もが自律して生きることが可能となる社会を支えています。ヒューマンインタフェースは、単なる双方向性の情報の移動ではなく、人の尊厳やつながりを支える関係性を生み出す装置です。本講演では、科学技術と共生し、自律した社会の実現について考えていきたいと思います。

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