ブラックライトが照らし出すもの
十代の終わり頃,僕は浪人生活を送っていた。最後の受験を東京で終えた後,僕は北海道の自宅にすぐには帰らず,結婚して関東に住んでいた従姉妹夫婦の家で数日間を過ごした。昼間はあても無く東京近辺をぶらついたり,従姉妹の子供を連れ...
2014.09.19
光技術者として日々の研究にいそしむ著者が,これまでの経験や日常を通じて感じる光に関するあれこれを,肩ひじ張らずに綴る人気のコラム。その飄々としたキャラクターも魅力の一つです。
十代の終わり頃,僕は浪人生活を送っていた。最後の受験を東京で終えた後,僕は北海道の自宅にすぐには帰らず,結婚して関東に住んでいた従姉妹夫婦の家で数日間を過ごした。昼間はあても無く東京近辺をぶらついたり,従姉妹の子供を連れ...
2014.09.19
旅が好きで,もういつでも旅をしていていたいと思っているほどだ。旅にも,スーツで行く出張の旅や緊張と感動が同居した山の旅など,いろいろとあるが,やっぱり観光旅行がお気楽である。僕の観光旅行のスタイルは,行きたい場所を大体決...
2014.08.22
ヘルシンキにはデザインミュージアムというユニークな美術館がある。それほど大きな博物館ではないけれども,電化製品や日用品など,デザインの国フィンランドならではの展示物が並んでいて,飽きることなく過ごすことができる。トイレに...
2014.07.23
僕が住んでいる街の上空は,西に向かう飛行機の航路となっている。羽田から飛び立った飛行機は,ここ関東の西のはずれで上空数千mに達し,見事な飛行機雲の航跡を残していく。ぐんぐんと伸びていく飛行機雲を見ていると,なんだか僕自身...
2014.06.12
石川五右衛門は豊臣秀吉の時代の盗賊団の頭である。時には人殺しも厭わなかったというから決してほめられた生業ではないが,五右衛門の盗賊団が盗みを働く相手は秀吉を筆頭とする権力者のみだったこともあり,庶民にとってはヒーロー的な...
2014.05.21
久しぶりに袋入りのインスタントラーメンを作って食べた。僕が子供の頃から売られているロングセラーの銘柄だ。刻んだ長ネギを少し散らしてラーメンをすすったその瞬間,「ん?」という不思議な感覚に包まれ,そして懐かしい記憶が蘇って...
2014.04.17
白くて艶のある「たまご肌」になりたい,というのは,多くの人たちが抱く願望である。ここでいう「たまご肌」とは茹で卵の白身(しろみ)のことだ。中には,茹で卵の黄身のような肌を手に入れたい,とか,生卵の白身のような透明な肌にな...
2014.03.07
冬の夜に,暖かい部屋で鍋を突きながら日本酒をちびりとやる。頭に霞がかかってくるころには,なんだか幸せな気分になってくる。酔い覚ましにと結露した窓を開けて外に顔を出して見れば,凛とした夜空には星達が瞬いている。 背景が暗い...
2014.02.06
物理学者であり名随筆家でもあった寺田寅彦は,「柿の種」という短文集の中で,原子番号数で呼べば完全に事足りるはずの元素に付いている「水素」とか「酸素」とか「テルリウム」とか「ウラニウム」とかという名前を,一種の「源氏名」の...
2014.02.06
どうも片付けが苦手である。机の上には雑多なものが無秩序に散乱している。「きっと頭の中だって同じようなものだろう」と良く人に言われるが,それは当たっている。いつでも色々なことが頭を駆け巡っていて,全くもって散乱状態である。...
2014.02.05