世界の中赤外線レーザーの市場,2019年には
7億4,260万ドルと予測

③広帯域レーザー
表3 広帯域レーザーの地域別市場($ MILLIONS)
表3 広帯域レーザーの地域別市場($ MILLIONS)

広帯域レーザーは,時間分解分光法,強高度場物理など幅広い用途で用いられている。3μmから6μmの波長は,重要な分子振動とオーバーラップしており,超導電性物質,CMRなどの強相関材料における電子状態の変化の測定に適している。量子半導体のサブバンド間遷移もまた中赤外領域の現象となっている。中赤外領域のパルスは高調波生成のカットオフエネルギーの制御にも有効とされている。

表4 タイプ別中赤外レーザー市場規模($ MILLIONS)
表4 タイプ別中赤外レーザー市場規模($ MILLIONS)

中赤外線領域には,重要な分光情報が含まれているにもかかわらず,適した光源はあまり存在しなかった。光パラメトリック発振器は,レーザー光源では到達できないこの重要なスペクトル領域の光出力を得るために利用されてきた。ここ数年で,様々な研究機関が中赤外における広帯域出力を目指して二重共鳴OPOの研究に取り組んでいる。

従来のOPOでは,強力なレーザーによって適切な光学材料の二次非線形感受性を増幅してきた。光学的なフィードバックのための共振器と組み合わせると,より長い波長の発振がひとつ,あるいはそれ以上発生する。発振波長の調整は共振器,あるいは非線形材料の選択により行なわれる。

OPOはその広い可変性と高い出力から,中赤外領域での分光アプリケーションに広く用いられている。量子カスケードレーザーは代替として検討されているが,個々のデバイスの同調範囲は比較的狭いため,超広帯域での測定にはあまり適していない。一方,OPOは広い範囲に同調可能だが,精密性,連続性に問題がある。

広帯域OPOは,フーリエ変換IR分光法の原則によると,並列の高分解脳分光に特に適している。OPOは10 mW未満の低ポンプ閾値で二重共鳴し,出力された中心波長がポンプの2倍の近縮退で同期するよう設計されており,非線形プロセスのアクセプタンス域が非常に広くなる。低分散共振器と組み合わせると,波長チューニングなしでより広い出力帯域が可能になる。

これらの設計を可能とする要素としては,近赤外領域で安定的にモードロックされる超高速ファイバーレーザーの商用化が挙げられる。超高速ファイバーレーザーを同調ポンプに利用すると,NIRポンプレーザーのcombモードは,二重共鳴OPOに特徴的な広いスペクトル広がりによって中赤外領域に変換される。

広帯域レーザー市場をリードするのは北米地域だ。北米の広帯域レーザー市場の規模は2014年の5,200万米ドルからCARG 11.9%で拡大し,2019年までに9,110万米ドルに達すると予測されている。北米についで大きな市場である欧州は,2019年には8,490万米ドル規模にまで成長する。アジア太平洋市場は規模こそ小さいものの,CARG 22.0%と北米のほぼ倍の速度で拡大し,2019年には3,270万米ドル規模に成長すると見られている。

関連記事

  • ドローンペイロード市場</br> 2021年までに77億2000万米ドルまで拡大

    ドローンペイロード市場
    2021年までに77億2000万米ドルまで拡大

    2.1 市場拡大要因 2.1.1 センサー技術の進化 UAVに利用されるセンサーの技術はどんどん進化し,小型化,軽量化が進んでいる。MEMS,ASICの革新的な利用とともに,複数のデータソースに対応するセンサーを機能的に…

    2017.02.10
  • 3Dイメージングハードウェア・ソフトウェア市場</br> 2024年には249億米ドルへ

    3Dイメージングハードウェア・ソフトウェア市場
    2024年には249億米ドルへ

    5. アプリケーション別 5.1 消費者向け・モバイル MicrosoftKinectはカメラベースの3Dセンサー製品として最初の成功例と言えるだろう。一般向けに3D技術の力を示した功績は大きいだろう。Microsoft…

    2017.02.03
  • プロセス用分光器市場規模</br> 2020年に15億米ドルに

    プロセス用分光器市場規模
    2020年に15億米ドルに

    4. 技術別市場 プロセス分光機器の種類別世界市場を以下に示した。プロセス分光機器はプラントで用いられるため,食品などの消費者向け製品よりも各年の売り上げの変動が大きい。また,その他の技術市場度同様,新興技術の登場,急激…

    2017.01.19
  • 垂直共振器面発光型レーザーの</br>世界市場規模2020年に21億米ドルへ

    垂直共振器面発光型レーザーの
    世界市場規模2020年に21億米ドルへ

    3.2 市場の抑制要因 3.2.1 パッケージ品質の低さ VCSELはGaAs基板をベースとするため,暗線欠陥の発生は避けられない問題である。半導体レーザー中の少数キャリアの集中がその原因となる。こうした欠陥は非放射遷移…

    2017.01.19
  • 赤外光検出器および画像化システム市場</br> 2020年には71億8400万ドルの規模に

    赤外光検出器および画像化システム市場
    2020年には71億8400万ドルの規模に

    QWIPは,主にGaAsとAlGaAsなど,バンドギャップの異なる半導体の積層構造により形成される量子井戸を利用する。QWIPが対象とする波長領域は長波長である。量子井戸の素材,構造により対象波長の調整が可能である。最大…

    2016.12.19

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア