光とレーザーの専門商社として,最先端の海外製品・技術を日本市場に展開し,その企業価値を高めてきた日本レーザー。
光業界を取り巻く環境も随分と変化してきた中にあって,直面している課題や今後の展望などについて,社長の宇塚達也氏に話を聞いた。
─専門商社を取り巻く環境についてお聞かせください
光技術専門商社は輸入中心になっていますので、円安というのは当然大きなアゲインストです。円安為替に伴って仕入れ値が高騰し、我々の収益を圧迫しているということはまず一つ大きな課題ですね。それに追い打ちをかけて欧米では今値上げラッシュで、部品などの価格がものすごく上がっていますが、その価格転嫁が追いつかないという問題もあります。
欧米のインフレはかなりひどい状況で、半年に一度くらい数%の値上げがあり、年間で言うと10%~15%ぐらいの値上げになります。お客様の方でも気にしてくれて、見積もりや購入の段階で多少の値上げは認めてくれることもありますが、それでも予算の上限というのがどうしてもあるので、例えば今までは仮に20%の粗利があったものが15%や12%になってしまいます。値上げがなかったら数%にまで落ちてしまい、原価上昇のすべてを回収できるわけではありません。
さらに、最近は製品の品質が良くなってきています。ここ十年ぐらいで特に良くなってきているので、我々の修理収入も減っているのが現状です。そこをなんとか打開しないといけないと感じています。そこでサービス、例えば定期点検や保守などを提案して付加価値を付けています。 大手銀行では円安傾向は夏まで続き、年末にかけて円高基調になるとみています。
ただそれがどのぐらいのレベルになるかまでは分からないようです。ただ、証券会社の中には円安に振れるとみているところもあるので、なんと言えないですね。一方で、円安は悪いことばかりではありません。今、政府が半導体とかエレクトロニクス関係の産業に投資をする動きがあります。それと同時に自動車産業などの輸出がすごく好調です。我々のターゲットは今申し上げた半導体とエレクトロニクス、それから自動車です。自動車は半導体やセンサーが基本です。そこに目をつけて商売を展開するというのは一つの手だと思います。