東京エレクトロン(TEL)は,300mmウエハー接合デバイス向けレーザー剥離装置「Ulucus LX」の販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。
AI時代の到来により,半導体デバイスの性能向上・エネルギー効率化の重要性が高まる中,ウエハー永久接合技術を用いた3次元実装は今後の半導体デバイスの進化に不可欠な技術となっている。
微細化に並ぶ重要な高集積化技術として,ウエハー永久接合工程は,多様な半導体デバイスへの採用拡大や接合回数の増加により,技術難易度がますます高まっている。その中でも,ウエハー永久接合工程において不要なシリコンウエハーを除去する研削工程は,加工時に大量の冷却水を必要とし,研削加工時の歩留まり低下や有効チップ数の制限を招くため,サステナブルかつ生産性向上に寄与する技術革新が求められている。
この製品は,このようなニーズに応えるため,同社が開発したレーザー剥離技術を備え,レーザー照射・ウエハー分離・洗浄の加工を一つの装置で行なうことを可能とした装置。高度なレーザー制御やウエハー分離,そして枚葉洗浄装置(NSおよびCELLESTAシリーズ)で培った洗浄技術と,数多くの出荷実績がある塗布現像装置「LITHIUS Pro Z」のプラットフォームを融合し実現したという。
この装置の導入により,現在,ウエハー永久接合工程で使用されるシリコンウエハーへの裏面研削,研磨,薬液によるエッチングをはじめとした複数のプロセスを置き換え,純水使用量を従来比90%以上削減することが可能だとしている。
また,ウエハー外周部を除去する従来型のエッジトリミング加工を不要とするため,ウエハー当たりの有効チップ数の増加に貢献するほか,この装置を用いて剥離したシリコンウエハーを再利用する技術も開発中だという。