阪大ら,UVC照射によるアミノ酸変換を解明

著者: higa

大阪大学,奈良女子大学,パナソニックの研究グループは,抗体医薬品に紫外線(UV)照射を行なうことで,タンパク質を構成するアミノ酸の一種であるヒスチジンが構造変換されるメカニズムを明らかにした(ニュースリリース)。

これまでにも紫外線を照射するとタンパク質が分解されることやアミノ酸が他のアミノ酸に変わることは知られており,光照射は,微生物の殺菌などの目的で使用されてきた。

特に,従来の光源よりエネルギーの強いUVCランプは,より効率的な殺菌・消毒の方法として,医薬品製造の場での利用が期待されているが,抗体医薬品にUVCを照射した際の,アミノ酸の構造変化メカニズムは,明確に解明されていなかった。

今回,研究グループは,抗体医薬品にUVCを照射し,質量分析法(分子をイオン化させ,質量(m)を電荷数(z)で割ったm/zに応じてイオンを分離・検出する方法)と同位体標識された水(18O水)を用いて実験を行なうことにより,ヒスチジンがアスパラギン及びアスパラギン酸へと構造変換されるメカニズムを解明した。これにより,UVC照射を抗体医薬品の製造の場で利用する際の影響が明確となった。

研究グループは,さらにUVC照射を用いた研究を進めることにより,UVC照射によるウイルスの不活化などへの応用が期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 京都大、太陽系外の惑星を調べる超小型紫外線衛星の打ち上げに成功

    京都大学の研究グループは、超小型紫外線観測衛星「Mauve」衛星が米SpaceX社のロケットにより打ち上げられ、恒星活動と惑星環境の関係を探る観測ミッションを開始した(ニュースリリース)。 太陽のような恒星は、活動が活発…

    2025.12.10
  • 兵県大ら,光で働くDNA修復酵素のしくみを解明

    兵庫県立大学,大阪大学,筑波大学は,DNAの損傷を光で修復する酵素の反応過程を詳しく解析し,独自開発の分光計測技術を用いて,修復反応の途中で一時的に現れるオキセタン中間体を世界で初めて実験的に捉え,その存在を裏付けること…

    2025.09.03
  • 徳島大ら,水銀フリープラズマ方式遠紫外線光源開発

    徳島大学と紫光技研は,水銀フリーで,生体への安全性と殺菌効果を両立したプラズマ方式遠紫外線(far-UVC)光源を開発し,その殺菌及びウイルス不活化効果を実証した(ニュースリリース)。 光波長200~230nmのfar-…

    2025.06.25
  • 静大,シリコンで深紫外光を捉える検出器を開発

    静大,シリコンで深紫外光を捉える検出器を開発

    静岡大学の研究グループは,代表的な半導体材料であるシリコン表面に微細な周期凹凸構造を形成することにより,深紫外(DUV)領域の光を高感度に検出する光センサを開発した(ニュースリリース)。 近年の半導体リソグラフィ技術の進…

    2025.06.11
  • 公大,紫外線照射で酵母の有用化合物生産能力を強化

    大阪公立大学の研究グループは,既存の酵母株に紫外線を数分間照射することで,D-乳酸の生産量が約1.5倍に増加した新規株の作出に成功した(ニュースリリース)。 現在,石油に代わる新しい炭素の材料として,メタノールのような物…

    2025.05.29
  • 阪大,UV-LEDヘルメットで昆虫サイボーグを制御

    大阪大学の研究グループは,昆虫が紫外線に対して避けるように行動する負の走光性を活用し,UV-LED付き小型ヘルメットを操作することで,未知の環境下でも適用できる昆虫サイボーグの自律ナビゲーション方法を開発することに成功し…

    2025.05.16
  • 四国化工機,深紫外線LEDを登載した充填機を開発

    四国化工機は,日亜化学工業が製造する深紫外線LED(UV-C LED)を使用したUV-C LED殺菌装置の開発について,装置化と検証が完了し,このLED殺菌装置を搭載した充填機を発売する(ニュースリリース)。 四国化工機…

    2025.05.16
  • 京大,分光法によりDNA塩基に一瞬のねじれを発見

    京都大学の研究グループは,超高速光電子分光法と赤外分光法によって水溶液中の核酸塩基を調べ,紫外線を吸収したチミンやウラシルがC=C二重結合を強くねじった不安定な状態を形成することを発見した(ニュースリリース)。 遺伝情報…

    2025.05.14

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア