NEDO,13種類のがんを1回の採血で発見できる次世代診断システムの開発に着手

NEDOは,乳がんや大腸がんなど13種類のがんを1回の採血で発見できる次世代診断システムの開発プロジェクトに着手する(ニュースリリース)。

このプロジェクトでは,がん細胞が分泌するマイクロRNA(リボ核酸)に着目。13種類のがんと認知症にそれぞれ特徴的なマイクロRNAを組み合わせることにより,従来の診断方法では見逃されていたがんや認知症を早期発見,がんの種類も特定できる次世代診断システムを開発する。プロジェクト期間は2018年度末までの5年間。

がんの克服のためには,「がんの早期発見」や「治療の個別化」が必要とされている。しかし,検査に用いられる腫瘍マーカーの多くは「進行がん」にならないと数値が上昇しない。一部の腫瘍マーカーは「早期がん」でも数値が上昇するが,感度と特異度が十分でないため,早期発見を目的とした集団検診にはほとんど使われていない。また,治療の個別化においても,個別症例の違いを予測するバイオマーカーの開発が不可欠となっている。

そこで,今回のプロジェクトでは,国立がん研究センターと国立長寿医療研究センターが蓄積している臨床情報と血液サンプルを利用してマイクロRNAを大規模に解析し,病気が意識できない早期のがんや認知症の患者を発見できるマイクロRNAや個別症例の違いを予測するマイクロRNAを明らかにする。

13種類のがんと認知症にそれぞれ特徴的なマイクロRNAを組み合わせることにより,2018年度末までに医療の現場で使用できる次世代診断システムを技術開発し,がんや認知症の分野での早期診断・治療や先制医療の実現を目指す。