東芝メディカルシステムズ,X線血管撮影中にリアルタイムに皮膚入射線量をモニタリングする技術を開発

東芝メディカルシステムズは,X線循環器診断システム「Infinix Celeve™-i」に組み合わせるアンギオワークステーション「XIDF-AWS801」に搭載する,皮膚入射線量のモニタリング機能「Dose Tracking System」(DTS)を開発し,8月より国内外にて臨床使用を開始している。

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近年,X線循環器診断システムに対し,放射線皮膚障害のリスクを管理する方法として,X線量を低減することに加え,患者の入射皮膚線量を把握することが求められている。同社では,独自の線量低減機能を開発し,販売しているほか,後者については国際電気標準会議(IEC)の規格に則った基準点における入射線量を装置に表示し,入射皮膚線量の参考値としている。しかし,この表示では患者の局所の入射皮膚線量を術中に把握することは困難であった。そこで,術中に患者入射皮膚線量分布をカラーマップでリアルタイムに可視化できるDTSを開発した。

X線循環器診断システム「Infinix Celeve™-i」より,X線条件,Cアーム幾何学的関係,X線照射視野サイズ(FOV)およびカテーテルテーブルの位置を受信し,DTS内の仮想患者モデルのX線照射位置における入射皮膚線量を計算する。計算された入射皮膚線量を仮想患者モデルに積算し,その度合いをカラーマップとして3次元的にリアルタイムに表示する。

また,仮想患者モデル内で最も高い入射皮膚線量(Peak Skin Dose:PSD)および仮想患者モデル上のX線照射視野内で最も高いPSD(FOV PSD)を表示し,患者被ばくの参考値を提供する。

同社はさらに臨床評価を続け,2014年度にはX線循環器診断システム「Infinix Celeve™-i」 との組み合わせ販売を予定している。

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