東工大、セメントが高温用圧電センサ材料に適していることを発見

東京工業大学大学院理工学研究科准教授の武田博明氏、教授の鶴見敬章氏と秋田大学大学院工学資源学研究科教授の小玉展宏氏らの研究グループは、セメント鉱物の一種である ゲーレナイト(Ca2Al2SiO7)が高温用途の圧電センサ材料として有望であることを突き止めた。ガソリンエンジンだけではなく、より高温の燃焼環境にあるディーゼルエンジン用の燃焼圧センサ材料として期待できる。また高温で使用可能な超音波センサや圧電振動子マイクロバランスなどにも展開できる。

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代表的な高温圧電センサとしてはエンジンシリンダ内の圧力を測る燃焼圧センサがある。これまで水晶やランガサイト型結晶がセンサ材料として試験的に用いられている。しかし、水晶は580°C付近で圧電性がほとんど失われるため、300°Cまでが使用限界であり、ランガサイト型結晶は400°Cで絶縁性が失われ、センサ能力が低下することが問題となっていた。

同研究グループは圧電性を有しつつ、酸素と強く結合する元素のみからなる結晶を探索した結果、ゲーレナイトを見出した。ゲーレナイト結晶は融点である1600°Cまで圧電性を保ち、少なくとも700°Cまで十分なセンサ能力を示すことを確認した。

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