九大、病原性真菌から新しいアジュバントを発見

九州大学生体防御医学研究所教授の山﨑晶氏、大学院薬学研究院准教授の宮本智文氏らを中心とする共同研究グループは、真菌から新しいアジュバント(免疫賦活化物質:免疫力を活性化する物質)を発見した。

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マラセチア真菌に含まれる活性成分の精製を試みた結果、Mincle を介して免疫を活性化させる成分が脂溶性であることを見出した。同時に、Dectin-2 と呼ばれる類似の受容体もマラセチア真菌を認識して免疫系を活性化させること、その活性は反対に水溶性であることを発見した。すなわち、マラセチア真菌は、それぞれ「脂」と「水」に溶ける2種類のアジュバントを持っていることが明らかとなった。

さらに脂溶性成分の精製を進めた結果、研究グループは 44-1、44-2 と名付けられた全く新しい化合物を発見することに成功。とりわけ 44-2 については、これまで自然界で見つかったことがない全く新しい複雑な構造をしており、今後のアジュバント開発に大きな方向性を示したと言える。今後、新たなインフルエンザワクチン、その他の感染症ワクチン、がんワクチンの開発につながることが期待される。

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