月刊OPTRONICS 特集序文公開

化合物半導体メンブレン光素子の最新動向

著者:NTT ㈱ 松尾慎治

1.はじめに

AIの積極的な利用や動画配信などによりインターネットトラフィックの増大は続いており,伝送機器の大容量化,低コスト化,低消費電力化はこれまでにも増して重要となっている。図1は,伝送距離と光ファイバ1本あたりの伝送容量の関係を示している。

図1 データ通信技術の光化の進展と今後のターゲット

電気配線は,距離や速度の増大に伴い損失が増えるため,光配線技術はまず長距離伝送から導入されてきた。しかし現在では,データセンター内やスーパーコンピュータのラック間といった短距離のデータ通信においても光化が進んでいる。

トラフィックの増大のため,今後は図2に示すようなボード間やボード内に光配線を適用することが重要となる。このような素子技術が実現すると,例えばNTTで提唱しているIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想が大きく進展すると考えられる1)

図2 光インターコネクションの短距離化

光送受信機器の低消費電力化・低コスト化に向けては,シリコンフォトニクス技術を用いた光集積回路が注目されている。光集積回路は,従来のように個別素子をファイバーアセンブリする光モジュール作製方法と比較して,複数の光素子を低損失な光導波路や光フィルタで接続できるため,アセンブリコストを大幅に削減できる。さらに,シリコンフォトニクスではシリコンCMOSプロセス技術を活用することで,高性能な光フィルタや光変調器などを,大口径基板上で高い歩留まりと均一性をもって作製可能であるため,基盤技術として位置づけられる。一方で,レーザや高効率な変調器の作製には化合物半導体の利用が重要であり,シリコンフォトニクス素子と化合物半導体光素子の高密度異種材料集積の研究開発が重要となっている。本稿では,NTTで検討しているメンブレン光半導体素子の構造,異種材料集積方法について述べる。その後,近年の素子開発について紹介する。

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