瞳に炎 沸き立つ闘志が瞳に炎となって燃え上がる。マンガの中ではよく見かける光景だ。「目は心の窓」と刷り込まれている僕たちは,なんら疑うこともなく,そこに描かれた人物の激情を感じ取ることができてしまうのだ。でも,もし本当に瞳で炎が […] 2018年08月07日 ひかりがたり ひかりがたり 第65話 著者:月谷昌之介
鉄腕アトムの目のチカラ 子供の頃,僕の家には樹脂でできた鉄腕アトムの貯金箱があった。頭の後ろに硬貨を入れる穴があって,首を外すと中の硬貨が取り出せるというものだ。当時,テレビで放送されていた鉄腕アトムは白黒だったはずなのに,記憶の中のアトムがフ […] 2018年07月13日 ひかりがたり ひかりがたり 第64話 著者:月谷昌之介
レーザーポインター光線 レーザーポインターといえば,世間一般ではサッカーの試合でゴールキーパーの邪魔をするためにレーザー光を顔に狙い撃ちするための道具だと思っている人も多いかもしれない。でも,本来は,プレゼンテーションで図を指し示す指し棒の代わ […] 2018年07月01日 ひかりがたり ひかりがたり 第63話 著者:月谷昌之介
コーヒー色であるということ コーヒーを淹れるひとときは幸せだ。フィルターに盛ったコーヒー豆の粉にお湯を注ぐと,香りとともにプクプクと泡が立ち,粉全体が饅頭のように膨れ上がる。ひとたび待って,ほどよい時間が経ってから再びお湯をゆっくりと注いでいく時に […] 2018年05月22日 ひかりがたり ひかりがたり 第62話 著者:月谷昌之介
立ち食い蕎麦にも森羅万象 蕎麦が好きで,何かにつけて食べに行く。とは言っても,蕎麦と言えば神田のあそことかとか日本橋のどこそこ,なんて言うこだわりがあるわけではなく,出かけた先や旅先などで何となく良さげに見える蕎麦屋に入り,美味しいの美味しくない […] 2018年04月18日 ひかりがたり ひかりがたり 第61話 著者:月谷昌之介
めくるめく印象派 僕がまだ子供の頃,父がなぜだか西洋絵画の全集を買い込んだ。それは古典から現代に至るまでの代表的な絵画が画家別に分冊された立派なもので,我が家のリビングに鎮座することとなった。ずらりと並んだ背表紙には有名であろう画家たちの […] 2018年03月26日 ひかりがたり ひかりがたり 第60話 著者:月谷昌之介
X線を越えるもの 幼稚園の頃,体が小さくて馬鹿にされたのを見返すために木から飛び降りたら,着地の時に手をついて右肘を脱臼した。脱臼と言っても関節が変形してしまうほどの重症で,外科でギブスをはめられた後,夏の間,僕はプロ野球選手も通っていた […] 2018年02月22日 ひかりがたり ひかりがたり 第59話 著者:月谷昌之介
ブルーライトカットと言われても 先日,夜になって家の自室のドアを開けたら,暗い部屋の奥で見慣れぬ二つの青い光が点灯していた。一見,電気製品のパイロットランプのようにも見える。最近ではLEDランプが溢れていて,家でもそこいらじゅう赤や青の光が光っているか […] 2018年01月17日 ひかりがたり ひかりがたり 第58話 著者:月谷昌之介
いつのまにか積丹ブルー 北海道の形をエンゼルフィッシュに見立てると日本最北端を擁する宗谷半島が背びれ,下に三角形に尖った日高地方が腹びれ,そして函館を含む本州に近い方が尾びれとなる。尾びれの付け根の上側,日本海にコブのように飛び出している部分は […] 2017年12月12日 ひかりがたり ひかりがたり 第57話 著者:月谷昌之介
日陰?日影? 強い陽射しの中を,眉間にしわを寄せて歩いている。日光を遮るものは全くなく,暑さで頭もぼうっとしてきた。こんな時には,「女神様が現れて快適にしてくれたらいいのに」などと,ありもしないことを願ってしまうのである。さて,そんな […] 2017年11月01日 ひかりがたり ひかりがたり 第56話 著者:月谷昌之介