コーヒー色であるということ

コーヒーを淹れるひとときは幸せだ。フィルターに盛ったコーヒー豆の粉にお湯を注ぐと,香りとともにプクプクと泡が立ち,粉全体が饅頭のように膨れ上がる。ひとたび待って,ほどよい時間が経ってから再びお湯をゆっくりと注いでいく時に,白く盛り上がりながら次々と湧き出す泡の盛衰は見ていて飽きない眺めだ。しばらくすると,ドリッパーからポトポト落ちるコーヒーの滴のうちいくつかが,わずかの間だけれどもサーバーにたまったコーヒーの水面(湯面?)で跳ねて踊る姿が見られるだろう。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    関連記事

    • 見ているものは何なのだろう

      著者:納谷昌之 関東では、冬晴れの日が続いている。僕の住む場所からは、青空の下、目の前に広がる丹沢の山並みや、遠く雪を被って鎮座する富士山の、くっきりとした風景を仰ぐことができる。ふと、この風景が、僕の目の中の網膜の上で…

      2026.03.23
    • 衣服で化ける

      僕が子どもの頃,世界にはまだ裸族がたくさん住んでいた。テレビでは,下唇を円盤で大きく広げたり,局部を木の筒に収めただけの姿で裸のまま躍動する人々の暮らしが,様々な番組で紹介されていた。今はどうだろう。先日,アマゾン奥地に…

      2026.02.17
    • 米とひかり

      米のトップブランドといえば「コシヒカリ」だろう。この名前は,越国(こしのくに)の光り輝く品種になって欲しい,という願いのもとに命名された。それ以外にも,米の品種名には「きぬひかり」「ひのひかり」など,「ひかり」の付くもの…

      2026.01.16
    • 鏡という秘境

      鏡は人類にとって最も身近な光学素子と言っても過言ではない。現存する最古の金属鏡は紀元前2800年頃のものらしい。そんな長い歴史を持ちながら,鏡はいまだに謎を秘めている。「鏡に映った自分の姿は左右が反転するのに,上下は反転…

      2025.12.11
    • AIみたい

      8 月のお盆明けに,北アルプスの白馬岳に登ってきた。今回辿った蓮華温泉からのコースは,後立山連峰の新潟側に連なる朝日岳や雪倉岳などの,たおやかな景色を横に眺めながら登る稜線歩きだ。ゆったりとした緑の峰々の,ところどころに…

      2025.11.10

    新着ニュース

    人気記事

    編集部おすすめ

    • オプトキャリア