ステンドグラスは永遠だけど 僕にとって初めてのヨーロッパは,チェコ共和国のブルノーという街だった。ブルノーはチェコ第2の都市で,遺伝学で有名なメンデルを輩出した伝統ある都市だ。だけれども,僕が訪れた1995年当時は自由主義化のためのシルク革命から少 […] 2019年01月17日 ひかりがたり ひかりがたり 第70話 著者:月谷昌之介
ノーベル賞とピンセット ピンセットというものを初めて使ったのはいつのことだろうか。遠い記憶の中にあるものは,小学校で理科の顕微鏡の実習で,スライドグラスにのせた試料にカバーグラスを被せるときにピンセットを使ったことだ。少なくとも高校まではピンセ […] 2018年12月25日 ひかりがたり ひかりがたり 第69話 著者:月谷昌之介
幻日の現実 仕事帰りの道すがら,まだ日が長い時期で,夕日というには少し早めの太陽が西にうっすらとかかった雲を透かして見えている。その太陽から水平方向右側,少し離れたところに光の塊が出現しているのを見つけた。それは少し縦長で,水平方向 […] 2018年11月16日 ひかりがたり ひかりがたり 第68話 著者:月谷昌之介
憧れのシャンパンゴールド シャンパンと庶民的なスパークリングワインを泡の音で判別する。そんな酔狂な実験の報告がPhysics Todayという真面目な雑誌に掲載されていた。スパークリングワインの中でも,フランスのシャンパーニュ地方で厳しい基準を満 […] 2018年10月22日 ひかりがたり ひかりがたり 第67話 著者:月谷昌之介
失せ物がたり 僕は占いやまじないの類いは信じないことを標榜しているが,そのくせ神社などでおみくじを売っていると,ほぼ間違いなく運だめしをしてしまう。そして,大吉だ小吉だ凶だと一喜一憂してみたり,「恋愛運良し」と言う一文を見て,ついほく […] 2018年09月25日 ひかりがたり ひかりがたり 第66話 著者:月谷昌之介
瞳に炎 沸き立つ闘志が瞳に炎となって燃え上がる。マンガの中ではよく見かける光景だ。「目は心の窓」と刷り込まれている僕たちは,なんら疑うこともなく,そこに描かれた人物の激情を感じ取ることができてしまうのだ。でも,もし本当に瞳で炎が […] 2018年08月07日 ひかりがたり ひかりがたり 第65話 著者:月谷昌之介
鉄腕アトムの目のチカラ 子供の頃,僕の家には樹脂でできた鉄腕アトムの貯金箱があった。頭の後ろに硬貨を入れる穴があって,首を外すと中の硬貨が取り出せるというものだ。当時,テレビで放送されていた鉄腕アトムは白黒だったはずなのに,記憶の中のアトムがフ […] 2018年07月13日 ひかりがたり ひかりがたり 第64話 著者:月谷昌之介
レーザーポインター光線 レーザーポインターといえば,世間一般ではサッカーの試合でゴールキーパーの邪魔をするためにレーザー光を顔に狙い撃ちするための道具だと思っている人も多いかもしれない。でも,本来は,プレゼンテーションで図を指し示す指し棒の代わ […] 2018年07月01日 ひかりがたり ひかりがたり 第63話 著者:月谷昌之介
コーヒー色であるということ コーヒーを淹れるひとときは幸せだ。フィルターに盛ったコーヒー豆の粉にお湯を注ぐと,香りとともにプクプクと泡が立ち,粉全体が饅頭のように膨れ上がる。ひとたび待って,ほどよい時間が経ってから再びお湯をゆっくりと注いでいく時に […] 2018年05月22日 ひかりがたり ひかりがたり 第62話 著者:月谷昌之介
立ち食い蕎麦にも森羅万象 蕎麦が好きで,何かにつけて食べに行く。とは言っても,蕎麦と言えば神田のあそことかとか日本橋のどこそこ,なんて言うこだわりがあるわけではなく,出かけた先や旅先などで何となく良さげに見える蕎麦屋に入り,美味しいの美味しくない […] 2018年04月18日 ひかりがたり ひかりがたり 第61話 著者:月谷昌之介