ド・オヌクールからダ・ヴィンチへ

著者: 鴫原 正義

欧州の芸術や科学技術の歴史を振り返る時に,14世紀のルネサンス期や18世紀以降の産業革命が大きな出来事として取り上げられます。しかしその前には“12世紀のルネサンス”と称される時期がありました。そしてその時期の後半にフランスのヴィラール・ド・オヌクール(生没不詳)が教会建築などで大活躍していたようです。不詳な点も多々あるのですが今回はその周辺から追ってみました。

中世の欧州では,遠征から戻ってきた十字軍を介して全盛期のイスラム文化が伝わり,融合していくことで後に“12世紀のルネサンス”と呼ばれるようになった時代が築かれました。特に教会建築は大きな変貌を見せています。欧州中世初期の教会堂は,現在のギリシア〜トルコの領域を制していたビザンチン帝国の流れを汲むビザンチン様式が主流でした。又,11世紀頃にロマネスク様式の建築が南欧を中心に広がります。石材による重厚な柱や石壁と,半円アーチ型の天井やドーム屋根が作られ,キリスト教美術の世界が拡がります。ピサの大聖堂もその代表的な建築です。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    関連記事

    • 2026年・午年にちなんで

      今年の干支から~馬に関わる思わぬ話題 2026(R. 8)年を迎えました。今年の干支は午年(うまどし)で,午年の中でも60年に一度巡ってくる丙午(ひのえうま)になります。十二支(子丑寅卯辰巳午…)は中国発祥の概念で,年・…

      2026.01.10
    • 音商標について

      商標は一般的に二次元平面に描かれる文字や図形で示されますが,1997(H. 9)年に三次元の立体的な形状の「立体商標」が認められ,更に今から10年前の2015(H. 27)年4月1日に5つの分野の商標が新たに追加されまし…

      2025.12.10
    • レゴブロックの世界

      10月に無事終了した大阪・関西万博では,シンボルとなっていた大屋根リングが話題になっていました。高さ約12 m(一部約20 m)で,外径約675 m,周長約2 kmの構造物で,109個の木架構ユニットをつなぎ合わせて造ら…

      2025.11.06
    • 水素の技術

      地球温暖化対策が叫ばれる中で「カーボンニュートラル」のキーワードで様々な動きが見られます。そのひとつに,燃焼してもCO2を出さない水素の技術が注目されています。特に近年の異常気象などを日常的に経験していると水素技術の開発…

      2025.10.10
    • ドン・キホーテのビジネスモデル

      生活スタイルを大きく変えた発明の一つにスーパーマーケットの発明があります。1930年に米国のマイケル・カレン(1884−1936)が開業したスーパーマーケット「キング・カレン」が世界初の店といわれます。購入者がショッピン…

      2025.09.10
    • 三遊亭圓朝の世界

      今では余り聞かなくなりましたが,日本では昔から暑い夏の時期には花火のように怪談が付き物でした。そんな怪談に関して落語家の三遊亭圓朝(1839−1900/図1)が深く関わっていました。今回は発明や特許には直接関係ありません…

      2025.08.13
    • プラスチックごみリサイクル技術と特許

      地球環境問題がクローズアップされるようになって久しいですが,解決までにはまだ長い道のりといえます。例えば,2016年に英国でサーキュラーエコノミーを推進するエレン・マッカーサー財団が世界経済フォーラム(WEF)と協力して…

      2025.07.10
    • 都市鉱山(レアメタル)

      近年の小型電子機器や電動車等々で要となる部品はレアメタルによって支えられていると言ってもよさそうです。しかし,稀なる金属の産地は偏在している上に国際情勢が不安定な状況では,素材確保にも大きなリスクが伴います。一方で都市鉱…

      2025.05.10
    • 映画史を振り返る

      最近ある方からの話に刺激されて読み始めたのが『アリスのいた映画史(彩流社:吉田はるみ著)』です。映写機の発明といえば米国のトーマス・エジソン(1847−1931)やフランスのリュミエール兄弟(兄:1862−1954,弟:…

      2025.04.10

    新着ニュース

    人気記事

    新着記事

    • オプトキャリア