商標は一般的に二次元平面に描かれる文字や図形で示されますが,1997(H. 9)年に三次元の立体的な形状の「立体商標」が認められ,更に今から10年前の2015(H. 27)年4月1日に5つの分野の商標が新たに追加されました(表1)。近年のデジタル技術の進歩や,多様化するビジネスの中で企業ブランドとして守られるべき対象が広がってきたからです。因みに,このような商標は日本で導入される以前に欧米や,韓国,シンガポールなどでも導入されていました。今回は,そんな商標が登録可能になってから10年となる節目にその状況を覗いてみました。

特許庁のHPから前記5分野の商標出願状況を見てみると,合計983件(11月13日時点)が確認されました。出願件数の多い順で見ると,①音商標:417件,②位置商標:278件,③動き商標:243件,④色彩のみからなる商標:26件,⑤ホログラム商標:19件で,音商標は全体の42%を占めています。それらの出願推移を見ると,登録開始を待ち望んでいた企業が多かったのでしょうか,堰を切ったように出願が集中し,4月以降の9か月間で10年間の総数の28%を占める程でした。その後次第に一定レベルに落ち着いてきた中で,近年は音商標と位置商標の増加傾向が見られます(図1)。SNSでの広告が増加し,偽ブランド品が出回るなどへの対応も影響しているように見えます。尚,立体商標の出願件数はこれらの商標より更に18年前から認められていたので一桁多い3,108件でした。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。