バッテリーフリーが当たり前の時代へ ― 光無線給電の有効性

著者: 望月 あゆ子

AIがシステム構築を加速化させる

-周辺技術の進歩も目覚ましいとのことですが

基本技術は既に揃っています。ただ高出力レーザーを使用するので安全面をどのようにカバーするか、また社会がどう受け入れるかが課題です。

現在は周辺技術が格段に進歩しました。まずカメラがとても安く高性能になり、人工知能、特に画像認識技術が普及しました。10年以上前からAIが実用化され、学生でも半年もあれば基礎的な仕組みを作れてしまうほどです。

コンピュータの性能向上もあり、光無線給電は「レーザーと受電面があればできる」という状況になりました。20~30年前でも要素技術的には可能でしたが、当時は周辺技術が足りず、今はそれが揃っているのが強みです。

さらにレーザー自体も、ここ10年で大幅に安くなりました。かつては数千万円した高出力レーザーが今では数百万円、さらに個人向けのレーザーカッター用なら数万円で手に入ります。中国製の低価格品が出てきた影響も大きいです。

このように周辺技術の発展により光無線給電は実現に向けて一気に加速しています。

AIやカメラなど
周辺技術の低価格化が進んでいる

-使用デバイスの低価格化が加速していると

はい、レーザーは加工分野での利用拡大によって低価格化が進み、それが光無線給電の実用化を後押ししています。これから5~10年で更に価格が一桁下がる可能性があります。そうなると今加工だけでビジネスしているレーザー企業にとっては厳しい面もありますが、市場全体は確実に広がるでしょう。

光無線給電が「なぜ今なのか」と問われれば「周辺技術の進化とレーザー価格の低下という好条件が揃ったから」と答えられます。

インターオプト2025-光とレーザーの科学技術フェア-特別企画展パワーレーザーplus(2025年11月11日(火)-13日(木)、パシフィコ横浜)で見られるレーザーも将来性が非常に高いですし、今後10年で普及率が桁違いに広がる可能性があるでしょう。

-最後に、パワーレーザーplus来場者へ伝えたいメッセージは

光無線給電は適用範囲が非常に広く、バッテリーレスなど固定観念を変える技術です。通信が無線化して新産業を生んだように、電力の無線化も新しい製品・サービスの発想を促します。各業界の皆さまに、自分たちの現場に当てはめたアイデアをぜひ持ち帰っていただきたいです。

(聞き手:小林鉄太郎)

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