事業のフォーカスの中で,将来を見据えて盛り立てるのが研究の役割

今月号のリーダーズインタビューには古河電気工業・執行役員 研究開発本部長の藤崎晃氏に登場いただいた。藤崎氏は,インタビューの中でも語っているとおり,入社後より一貫して同社におけるフォトニクスの研究や事業を手掛けてきた。

現在は,研究開発の全体をマネジメントする役割を担っている。今回,藤崎氏に同社におけるフォトニクス事業と研究開発の現状と今後について話を聞いた。

─はじめに,藤崎様のキャリアに関してお聞かせください

私が古河電気工業に入社したのは1987年です。入社して最初の仕事は防水型の光ケーブルの開発でした。そういう意味では最初からフォトニクスの仕事をしています。当時は携帯電話が今ほど普及していなかったので,敷設された光ファイバーを使って工事の際の連絡を取り合うための専用の光通話機を開発しました。これが自身が開発して事業化された最初の製品となります。

その後はちょうど同時期に出現した光増幅器(EDFA)の開発に携わりました。今年の日本国際賞を受賞された中沢正隆先生(東北大学)が開発され,萩本和男さん(情報通信研究機構)が実用に道をつけられたEDFAですが,当社も部品技術があり,EDFAとしてのサブシステムの開発も進めました。個人的にも中沢先生とはものすごく長くお付き合いをさせていただいて,先生の助言もあって,2015年になりますが,東北大学大学院で博士の学位も取得しています。

EDFAというのは,特殊な光ファイバーや半導体レーザーなどの部品で構成されていますが,当社はそれらの部品技術を有していたので部品レイヤーとインテグレーションしたものを両方やりながら,アプリケーションへの対応を進めていきました。

私は1996年までは研究所にいましたが,その後は営業技術を担当しました。EDFAの販売先としては国内外の通信事業者でしたが,2003年頃までその技術営業の仕事をしていました。

─その頃は,非常に忙しかった時期でもあったのではないでしょうか?

そうですね。海外出張も多かったですし,ちょうどテレコムバブルの頃でした。2001年くらいに少し雲行きが怪しくなってきたところでしたが,当社はその時に米・ルーセントのオプティカルファイバーソリューションズ(OFS)を買収したことで,そこからファイバーレーザーの開発を始めます。

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