編集部が選ぶ2025年の「10大ニュース」 1位は「量子力学100周年」

著者: オプトロニクス 編集部

オプトロニクス社編集部が選ぶ2025年:光業界10大ニュース

 激動の2025年もあとわずか。今年ほどニュースに事欠かない1年はなかった。国内では憲政史上初となる女性首相の誕生をはじめ、株価が5万円超え、コメ高騰、クマ被害、大阪・関西万博、日本人2名のノーベル賞受賞…。海の向こうでもトランプ米大統領の再選、そして米国による相互関税発動、韓国の現職大統領逮捕、高市首相答弁に対する中国の反発など、国内外で大きなニュースが相次いだ。
 光業界では今年、どんな出来事が話題を呼び、経営者、研究者らの注目を集めたのか。オプトロニクス社編集部が選んだ今年の光業界10大ニュースをお届けする。

第1位 量子力学誕生100年、量子技術実装時代の到来を象徴

 量子力学誕生から100年の節目。量子コンピュータ、量子通信、量子計測が実験室から社会実装へ移行しつつあることを象徴する年となった。

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100年の節目を記念して「国際量子科学技術年(IYQ2025)」と定められた

第2位 光技術が未来を支える 大阪・関西万博

 2025年4月13日、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開幕した。IOWN APNやペロブスカイト太陽電池、光る植物など光技術を活用した多彩な展示が話題を集め、科学技術の未来を体感できる場となった。

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第3位 半導体レーザー研究の先駆者に脚光

 面発光レーザーの生みの親である東京科学大学栄誉教授/旧東京工業大学第18代学長の伊賀健一氏が2024年度の大川賞に続き、本田賞も授賞。また、京都大学の野田進特別教授が、フォトニック結晶レーザー研究の評価を受けて英国ランク賞を受賞した。日本の光デバイス産業の発展が期待されている。

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本田賞を受賞した東京科学大学 伊賀健一氏(左)と 英国ランク賞を受賞した京都大学 野田進氏(右)

第4位 次世代時刻標準「光格子時計」が商用装置開発段階へ

 光格子時計が研究用途を超え、商用装置としての開発が進展。量子計測技術が社会インフラに組み込まれる現実的フェーズに入った。

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第5位 ノーベル賞、日本がダブル受賞

 2025年のノーベル賞で日本人研究者が生理学・医学賞と化学賞をダブル受賞した。化学賞の北川氏が開発を進めてきた金属有機構造体(MOF)は、光学薄膜アルコール濃度センサーや発光型ガスセンサーなど、光学分野への応用も広がっている。

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第6位 高市政権、17成長分野に光関連の「量子」「核融合」など

 「科学技術・イノベーション基本計画」において、量子技術や核融合などフォトニクスと関わりの深い分野が国家戦略技術として位置付けられた。光・レーザーを基盤とする先端技術が、将来の産業競争力とエネルギー安全保障を支える中核として明確に示された。

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第7位 赤色半導体レーザーによる植物光合成と成長を確認

 波長を精密に制御できるレーザー光は、従来のLED照明と比べてエネルギー利用効率や制御性に優れ、植物工場や次世代農業への応用が期待される。このニュースは農林水産省が選ぶ10大ニュースの一つにも選ばれた。

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第8位 EX-Fusionと浜松ホトニクス、核融合発電に必要なレーザー技術の長時間稼働に成功

 レーザー核融合発電に不可欠な高出力レーザーの長時間安定稼働に成功した。核融合発電の実用化に向けた大きな技術的前進であり、日本発のレーザー技術の優位性を示す成果として注目された。

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第9位 ペロブスカイト国産化を経産省が支援 2030年までに年1GWを目指す

 経済産業省はペロブスカイト太陽電池の技術開発や実証試験の費用を支援すると発表した。脱炭素技術の開発などを補助するために設立された「グリーンイノベーション(GI)基金」を活用するという。同省は2030年までに年1GW、2040年までに20GWの発電容量を目指している。

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第10位 NTTとOptQC、光量子コンピュータで連携協定

 スケーラブルで信頼性の高い光量子コンピュータの実現に向けて連携協定を締結した。2030年までに100万量子ビット規模の実用化を目指し、共同研究を進める。

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