九州大学は,本年4月1日に九州大学100%子会社として設立した九大OIPを通じて,EUV光照射と解析評価サービスを提供する事業会社を新たに設立すると発表した(ニュースリリース)。
我々の生活の基盤である半導体は,進化を続けている。この半導体の微細化や新材料開発には,特殊な光「EUV光」が不可欠となっている。つい最近も,米国の最先端工場に高精細なEUV露光装置が導入されている。
日本の半導体産業は素材分野の新材料開発が強みであり,今後の開発にはこのEUV光が必須となっている。しかしEUV光を利用した研究開発は,海外の試験研究機関に頼っているのが現状。これにより,輸出規制による試料輸送の長期化,照射にかかる高いコスト,海外へのノウハウ流出が生じ,産業競争力低下が懸念される。
そこで同大学は,本年4月1日に九州大学100%子会社として設立した九大OIPを通じて,EUV光照射と解析評価サービスを提供する事業会社を新たに設立することとした。新会社においては,EUV光の照射に加え,照射結果を解析評価可能な人材育成にも取り組み,来るべき本格的なEUV光時代の到来に対応するという。
また,同大学としては,より中長期的な研究開発課題に対応するため,新会社のサービスをテコに,半導体開発に関する共同研究・人材育成を一層活性化するとしている。
■法人概要(予定)は以下の通り。
会社名:EUVフォトン株式会社
設立日:2024年7月29日
本社:福岡県福岡市
資本金:100万円
事業:EUV光照射及び解析評価,教育・人材育成・セミナー等
■今後のスケジュール
7月29日:法人設立
8月26日:設立記念パーティー,顧客候補企業とのサービス,内容協議・具体化
2025年度中:照射サービス開始