トッパンフォトマスクは,次世代半導体向けの高NA EUVを含む,EUVリソグラフィを使用した2nmロジック半導体プロセスノード対応のフォトマスクに関する共同研究開発契約を,米IBMと締結したと発表した(ニュースリリース)。
同社はワールドワイドな生産体制を構築する唯一のフォトマスクメーカーとして,半導体用フォトマスクの外販市場におけるトップシェアを占めており,EUV露光用マスクや基板材料の開発と製造に積極的に取り組んでいる。また,最先端のマルチビーム描画装置を複数台導入し,最新の半導体市場の要求にも応えている。
IBMは,アルバニー・ナノテク・コンプレックスにある研究所を拠点として,公共機関や民間企業のパートナーと緊密にコラボレーションし,ロジック・スケーリングや半導体の能力の限界を超えるための研究を行なっている。
これまで両社は45nmノードを皮切りに,32nm,22/20nm,14nmといった各世代の先端半導体用フォトマスクや,初期段階のEUVフォトマスクの研究・開発を,2005年から2015年にかけて共同で推進していた。
今回新たな取り組みとして,次世代半導体向けの高NA EUVフォトマスクを含む,EUVリソグラフィを使用した2nmロジック半導体プロセスノードに関する共同開発を2024年2月から5年間行なう。
2nmノード以細の半導体の量産には,これまで主流であったArFエキシマレーザーを光源とする露光技術をはるかに超える,高度な材料選択とプロセス制御の知識が必要となるほか,EUVおよび高NA EUVリソグラフィを活用した新たなフォトマスク技術が重要な役割を果たすと考えられる。
今回の両社の合意により,両社の持つ材料技術と製造プロセス制御技術を融合し,2nmノード以細の半導体量産に向けたソリューションの提供を目指すとしている。