日立ハイテク,蛍光X線膜厚計を発売

日立ハイテクサイエンスは,英Hitachi High-Tech Analytical Scienceが製造する卓上型蛍光X線膜厚計の新製品「FT230」を,日本,韓国,台湾,およびアセアン地域向けに販売開始することを発表した(ニュースリリース)。

蛍光X線膜厚計は,幅広い分野の製品検査現場において活用されている一方,試料の測定条件選択や測定位置決めから,測定結果の取得までに時間を要する場合も多く,製品検査の現場における測定作業の効率化が求められているという。

新製品は,測定で最も時間がかかり複雑な部分である測定条件の各種設定を短縮し,簡素化するためのさまざまな設計が施されている。高分解能半導体検出器(SDD)搭載により,最大5層の金属被膜の厚み測定が可能であることに加え,RoHSのような特定有害物質の使用制限に関する法規制に準拠した部品のスクリーニングや,めっき液,金属合金を含む材料組成分析などにも対応している。

この製品は,従来の蛍光X線膜厚計で採用されていたユーザーインターフェースである「SmartLink」や「X-ray Station」などで培った40年以上の経験とユーザーからのフィードバックに基づき,新たに設計されたソフトウェア「FT Connect」を搭載。

「FT Connect」のインターフェイスは,ユーザーが操作しなければならないアイコンやオプションで埋め尽くされておらず,測定試料の表示や分析結果を明確に表示するなど,重要な表示要素を優先しているため,試料の位置を正しく特定し,結果に対して迅速に対応することが容易になるという。

また,新たに開発された画像認識機能「Find My Part」を有し,分析時の設定において最も煩雑でエラーを起こしやすい測定条件の設定において,適切なレシピが自動的に選択。装置が測定位置と条件を決定し,測定結果やレポート作成等,一連の測定をサポートする。

さらに,この製品は業界内で最も大きな画像表示機能を有し,モニター画面の大部分に試料が表示されるため,ユーザーは表面の特徴をより容易に確認することができ,分析のための適切な領域をピンポイントで特定することが可能だという。

加えて,広視野カメラのオプションがあり,例えば大型の回路基板や電子部品など似たようなパターンが並んでいる試料であっても,特定の領域をより迅速かつ容易に確認可能。2台のカメラを併用することで,1つの試料の測定部位をすばやく切り替えたり,ステージ上の複数の試料の測定部位を切り替えたりすることができ,細部を見失うことなく測定できるとしている。

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