米ラムリサーチは,米インテグリス,三菱ケミカルグループの米Gelestとの戦略的な協力体制を発表した(会社HP)。
この協力体制により,次世代半導体製造に用いられるEUV(極端紫外線)リソグラフィのためのラムリサーチのドライフォトレジスト技術向けプリカーサーを,世界中の半導体メーカーに供給できるようになる。
3社はEUVドライレジスト技術の研究開発(R&D)で協力し,将来のデバイス世代に向けたロジック製品やDRAM製品の実現をサポートする。その際,プロセス化学製品の強固なサプライチェーンは,EUVドライレジスト技術を大量生産へ適用するのに必須となる。
今回の長期的な協力関係は,ドライレジスト技術のエコシステムをさらに拡大させ,すべてのグローバル市場で継続的に供給できるよう,半導体材料の主要企業から二重の供給網を確保するものだとする。
また,3社は協力して,高開口数(high-NA)のEUVパターニングのためのコスト効率の良いEUVドライレジストソリューションの開発を加速させる。高NA EUVは,今後数十年にわたる半導体技術の微細化と進歩のために必要なパターニング技術になると考えられている。ドライレジストは,高いエッチング耐性と,高NA EUVが要求する,より浅い焦点深度への対応に必要となる調整可能な成膜・現像の厚み,スケーリングを提供する。
ラムリサーチがASMLおよびIMECと共同で開発したドライレジストは,EUVリソグラフィの解像度,生産性,歩留まりを向上させ,次世代のDRAMおよびロジック技術の創出に関連する重要な課題に対応するという。
ドライレジストは,より少ないドーズ量で優れた解像度を実現し,EUVスキャナーの生産性向上とCOO(cost of ownership)低減を実現する。さらに,ラムリサーチのドライレジストプロセスは,従来のレジストプロセスに比べ消費エネルギーが少なく,原材料の消費も1/5~1/10抑えられるため,持続可能性の面でも大きな利点があるとする。
3社はこの提携により,ラムリサーチのドライレジストに関する知見と最先端のソリューションが,プリカーサー主要企業2社が持つ材料科学先端技術と,安定した供給チャネルに結びつくものだとしている。