オリンパスは,シングルバルーン小腸内視鏡「SIF-H190」を国内で2月17日から,欧州で2月下旬から発売する(ニュースリリース)。
小腸内視鏡検査は,消化管出血,小腸腫瘍,炎症性疾患などの診断・治療を目的に行なわれる。小腸は「暗黒の臓器」といわれ,長年,診断・治療が難しい臓器とされてきた。近年,カプセル内視鏡が普及し,小腸観察により小腸疾患も発見されるようになった。これにより,内視鏡を用いた精密診断,そして処置具を併用した組織診断や治療まで行なうという医学ニーズが一層高まっていた。
一方,小腸は全長6~7m,管腔の直径φ25mm程度と細長く,また深部にあり体腔内に固定されていない。そのため,アプローチが難しく,医師には高度な挿入テクニックが求められる。
このような背景から,今回,より操作性を高めるべく,鉗子チャンネルの拡大,受動湾曲,高伝達挿入部,ハイビジョン画質の搭載を実現したシングルバルーン内視鏡を発売した。
この製品は,従来製品の外径を維持したまま,鉗子チャンネルを2.8mmから3.2mmに拡大。これにより,処置具の可動域が増えることで操作性向上に寄与する。また,大腸用内視鏡などに搭載されている独自技術である受動湾曲と高伝達挿入部により,操作者の手元での押し引きの力,ひねりの力が先端部まで伝わりやすく,挿入性の向上に寄与するとしている。