三菱ガス化学は,同社事業所である「QOLイノベーションセンター白河」内に建設していた国内最大規模となる完全人工光型植物工場が竣工し,11月22日に竣工式を執り行なった(ニュースリリース)。
完全人工光型植物工場は,従来の畑地栽培やハウス栽培とは異なり,施設内で植物の生長に必要な光,温湿度,二酸化炭素濃度,水分,栄養分等の環境条件を制御しながら,常に最適な生育環境で植物を栽培する施設となる。
そのため,季節や天候に左右されることなく,一年を通して,安定した品質の野菜を,安定に提供することが可能となる。
この工場は,完全人工光型植物工場としては国内最大規模を誇り,1日2.6トン以上,1株80グラムのリーフレタス換算で約32,000株の葉菜類の生産能力を有する。
また,工場設計の工夫や最新の技術ノウハウ等の導入により同時に多品種を栽培でき,一般消費者向け個包装商品から業務用商品まで,顧客ニーズに沿った計画的生産及び供給が可能になったという。
今後は,同社とファームシップが共同で設立したMGCファーミックスが同工場を運営していくが,GLOBAL G.A.P(グローバルギャップ)認証の早期取得に向けた活動を開始する等,安全・安心にこだわって生産・販売を行なっていくという。
G.A.P.(ギャップ)とは,GOOD(適正な),AGRICULTURAL(農業の),PRACTICES(実践)のことで,食品安全,労働環境,環境保全を配慮して構成され,農業生産におけるリスクを低減するために,PDCAサイクルを回し,継続的に改善していく仕組みのことを示す。
また,GLOBAL G.A.P.認証とは,G.A.P.の取り組みを証明する国際基準の仕組みをいい,世界120か国以上に普及し事実上の国際標準となっている。
今後同社は,同工場の竣工により,同社グループとしての「医・食」分野でのさらなる成長を目指すとともに,福島の発展・活性化にも貢献していきたいとしている。