パナソニック スマートファクトリーソリューションズ(PSFS)とオーストリア イーヴィグループ(EVG)は,IoT向けセンサー・MEMS・RFID・CMOSイメージセンサーおよび薄型メモリー向けに開発されたプラズマダイシング工法において,その前工程に当たるレジスト塗布工程での新しいソリューションの提供を3月13日より始めた(ニュースリリース)。
プラズマダイシング工法は,センサー・MEMS・RFIDなど小チップにおいて,ウエハー全面の一括高速加工を可能とし,CMOSイメージセンサーでは切削粉が出ないことによる高歩留まり,メモリーではウエハー薄化に対してもダメージフリーで高品質を実現できる。
プラズマダイシング工法の前工程においては,ウエハー表面にマスクとなるレジストを数十μmの厚膜で塗布し,ダイシング部をレーザーやフォトリソでパターニングする。
しかしながら,この工程では,多層の配線構造を持つウエハー表面に5μm程度の段差があり,さらに電極部にはバンプを持つウエハーが多いため,プラズマダイシング用レジストを均一な厚膜で塗布できないといった課題があった。
この課題を解決するため,EVGは塗布装置「EVG100」シリーズにおいて,独自の技術によりプラズマダイシング向けにウエハー表面の段差構造に依存しない均一な塗布方法を開発し,従来の技術では困難であったバンプ付きウエハーに均一な厚膜でレジストを塗布することが可能となった。
さらにPSFSは,同社の実証センターに「EVG100」シリーズを導入し,レジストをバンプ付きウエハー表面に塗布・パターニングした後,PSFS製プラズマダイサー「APX300」ダイサーモジュールで高速・高品質にダイシングするソリューションの開発に成功した。